管理業務主任者試験 令和6年試験 問40
問40
管理組合Aが、区分所有者Bに対してマンションの滞納管理費を請求するために、民事訴訟法に定められている「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 少額訴訟によって訴えを提起する場合、その上限額は60万円である。
- 30万円を超える少額訴訟の場合には、地方裁判所に提起しなければならない。
- Aが、同一の年に同一の簡易裁判所において、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数には制限がある。
- AとBは、口頭弁論が続行された場合を除き、第1回口頭弁論期日前又はその期日において、すべての主張と証拠を提出しなければならない。
正解 2
問題難易度
肢17.0%
肢282.3%
肢37.4%
肢43.3%
肢282.3%
肢37.4%
肢43.3%
分野
科目:5 - 管理実務細目:1 - 滞納対策
解説
- 適切。少額訴訟は、訴額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて利用できます(民訴368条1項)。訴額が140万円以下の事件については、基本的には簡易裁判所の管轄となるため、原告は少額訴訟と通常訴訟を選択することができます。
簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない。
- [不適切]。地方裁判所ではありません。訴えを提起できる裁判所は、訴訟物の内容や金額により決まっています。金銭支払いの請求の場合、訴額が140万円以下であれば簡易裁判所、140万円超であれば地方裁判所が提起先となります(裁33条1項1号)。したがって、訴額30万円の事件の提起先は簡易裁判所です。
簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
一 訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。) - 適切。少額訴訟は利用回数に制限があり、同一の簡易裁判所における利用は1暦年中に10回までとされています(民訴368条1項・民訴規223条)。少額訴訟は一般市民を対象とする制度であるため、回数制限を設けて、消費者金融などの債権回収業者による濫用を防ぐ目的があります。
簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない。
法第三百六十八条(少額訴訟の要件等)第一項ただし書の最高裁判所規則で定める回数は、十回とする。
- 適切。少額訴訟では、原則として最初に開かれる口頭弁論期日に審理を完了することが求められます。そのため、第1回口頭弁論が行われるまでにすべての主張(攻撃・防御の方法)と証拠を提出する必要があります(民訴370条)。また、提出する証拠も即日で調べられるものに限られます。
少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。
2 当事者は、前項の期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。ただし、口頭弁論が続行されたときは、この限りでない。