管理業務主任者試験 令和2年試験 問11

問11

少額訴訟に関する次の記述のうち、民事訴訟法によれば、正しいものはどれか。
  1. 少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数は、同一人が、同一の簡易裁判所において、同一年に10回までである。
  2. 少額訴訟の終局判決に不服のある当事者は、控訴をすることができる。
  3. 少額訴訟の被告は、いつでも、通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。
  4. 少額訴訟における被告は、反訴を提起することができる。

正解 1

問題難易度
肢177.9%
肢24.4%
肢313.3%
肢44.4%

解説

  1. [正しい]。少額訴訟は利用回数に制限があり、同一の簡易裁判所における利用は1暦年中に10回までとされています(民訴368条1項民訴規223条)。少額訴訟は一般市民を対象とする制度であるため、回数制限を設けて、消費者金融などの債権回収業者による濫用を防ぐ目的があります。
    簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない。
    法第三百六十八条(少額訴訟の要件等)第一項ただし書の最高裁判所規則で定める回数は、十回とする。
    少額訴訟によって訴えを提起する場合、その上限額は60万円である。R6-40-1
    Aが、同一の年に同一の簡易裁判所において、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数には制限がある。R6-40-3
    「少額訴訟」による場合は、通常訴訟に比べ、少ない経済的負担で迅速かつ効果的に解決することができるが、訴訟の目的の価額が60万円以下に制限されるため、滞納額が60万円を超えるときは、制限額以下に分割したとしてもこの手続を利用できない。R3-10-4
    Aが、同一の年に同一の簡易裁判所において、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数には制限がある。H29-10-3
    滞納額140万円の支払いを求める訴えを簡易裁判所に提起する場合には、民事訴訟法上の少額訴訟制度を利用することができる。H28-10-1
  2. 誤り。少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることはできません(民訴377条)。控訴はできませんが、判決に不服があるときは、判決書等の送達を受けた日から2週間以内であれば異議申立てをすることができ、同じ簡易裁判所で再審理が行われます(民訴378条1項)。
    少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。
    少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は第二百五十四条第二項(第三百七十四条第二項において準用する場合を含む。)の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。
    A又はBが、少額訴訟の終局判決に対する不服申立てをするには、地方裁判所に控訴をしなければならない。H29-10-4
  3. 誤り。少額訴訟の被告は、最初の口頭弁論期日に弁論をし、又はその期日が終了するまでは、申述をすることで通常訴訟に移行させることができます(民訴373条1項)。弁論をした後は、審理中であっても通常訴訟への移行は認められないため、「いつでも」ではありません。
    被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。
    Bは、所定の時期までは、少額訴訟を通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。H29-10-2
    少額訴訟における被告は、所定の時期までは、当該訴訟を通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。H27-11-3
  4. 誤り。少額訴訟では、反訴を提起することはできません(民訴369条)。これは、少額訴訟が迅速な解決を目的とする制度であり、「一期日審理の原則」によって原則1回の期日で審理を終える必要があるためです。なお、反訴を行いたい場合には、通常訴訟へ移行することが可能です。
    少額訴訟においては、反訴を提起することができない。
    少額訴訟における被告は、反訴を提起することができない。H27-11-2
    少額訴訟の終局判決に不服のある当事者は、その判決をした裁判所に異議を申し立てることはできないが、地方裁判所に控訴をすることはできる。H27-11-4
したがって正しい記述は[1]です。