管理業務主任者試験 平成29年試験 問10

問10

管理組合Aが、区分所有者Bに対してマンションの滞納管理費を請求するために、民事訴訟法に定められている「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. AとBは、口頭弁論が続行された場合を除き、第1回口頭弁論期日前又はその期日において、すべての主張と証拠を提出しなければならない。
  2. Bは、所定の時期までは、少額訴訟を通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。
  3. Aが、同一の年に同一の簡易裁判所において、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数には制限がある。
  4. A又はBが、少額訴訟の終局判決に対する不服申立てをするには、地方裁判所に控訴をしなければならない。

正解 4

問題難易度
肢12.7%
肢24.5%
肢32.7%
肢490.1%

解説

  1. 正しい。少額訴訟では、原則として最初に開かれる口頭弁論期日に審理を完了することが求められます。そのため、第1回口頭弁論が行われるまでにすべての主張(攻撃・防御の方法)と証拠を提出する必要があります(民訴370条)。また、提出する証拠も即日で調べられるものに限られます。
    少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。
    2 当事者は、前項の期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。ただし、口頭弁論が続行されたときは、この限りでない。
  2. 正しい。少額訴訟の被告は、最初の口頭弁論期日に弁論をし、又はその期日が終了するまでは、申述をすることで通常訴訟に移行させることができます(民訴373条1項)。
    被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。
  3. 正しい。少額訴訟は利用回数に制限があり、同一の簡易裁判所における利用は1暦年中に10回までとされています(民訴368条1項民訴規223条)。少額訴訟は一般市民を対象とする制度であるため、回数制限を設けて、消費者金融などの債権回収業者による濫用を防ぐ目的があります。
    簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない。
    法第三百六十八条(少額訴訟の要件等)第一項ただし書の最高裁判所規則で定める回数は、十回とする。
  4. [誤り]。少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることはできません(民訴377条)。控訴はできませんが、判決に不服があるときは、判決書等の送達を受けた日から2週間以内であれば異議申立てをすることができ、同じ簡易裁判所で再審理が行われます(民訴378条1項)。
    少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。
    少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は第二百五十四条第二項(第三百七十四条第二項において準用する場合を含む。)の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。
したがって誤っている記述は[4]です。