管理業務主任者試験 令和3年試験 問8
問8
次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、最も不適切なものはどれか。
- マンション管理業者は、地震の発生により、管理組合のために、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについて、管理組合の承認を受けないで実施した場合においては、速やかに、書面をもって、その業務の内容及びその実施に要した費用の額を管理組合に通知しなければならない。
- 管理組合は、マンション管理業者が火災の発生により、緊急に行う必要がある業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用であれば、その発生原因が当該マンション管理業者の責めによるものであったとしても、当該マンション管理業者に対して、その費用を速やかに支払わなければならない。
- マンション管理業者は、漏水の発生により、管理組合のために緊急に行う必要がある場合、専有部分等に立ち入ることができるが、この場合において、マンション管理業者は、管理組合及びマンション管理業者が立ち入った専有部分等に係る組合員等に対し、事後速やかに、報告をしなければならない。
- マンション管理業者は、マンション管理業者の責めによらない火災の発生により、管理組合又は管理組合の組合員等が損害を受けたときは、その損害を賠償する責任を負わない。
正解 2
問題難易度
肢10.6%
肢294.3%
肢30.6%
肢44.5%
肢294.3%
肢30.6%
肢44.5%
分野
科目:4 - マンション管理適正化法細目:7 - 標準管理委託契約書
解説
- 適切。管理業者は、災害や事故などの事由により、管理組合のために緊急に実施する必要があり、かつ事前に承認を受ける時間的余裕がない業務については、管理組合の承認を受けずに実施することができます。緊急時の業務を実施した際は、管理組合に対し、速やかに書面をもって実施した業務内容と費用の額を通知しなければなりません(標契9条1項)。
乙は、第3条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる災害又は事故等の事由により、甲のために、緊急に行う必要がある業務で、甲の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、甲の承認を受けないで実施することができる。この場合において、乙は、速やかに、書面をもって、その業務の内容及びその実施に要した費用の額を甲に通知しなければならない。
一 地震、台風、突風、集中豪雨、落雷、雪、噴火、ひょう、あられ等
二 火災、漏水、破裂、爆発、物の飛来若しくは落下又は衝突、犯罪、孤立死(孤独死)等 - [不適切]。管理業者が災害又は事故等に伴う緊急時の業務を遂行するため、やむを得ず支出した費用について、管理組合は、速やかに管理業者に支払わなければなりません。もっとも、本肢のようにその事故等の発生が管理業者の責めによるものである場合には、この限りではありません。その損害は管理業者が賠償すべきものであるためです(標契9条2項)。
甲は、乙が前項の業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用については、速やかに、乙に支払わなければならない。ただし、乙の責めによる事故等の場合はこの限りでない。
- 適切。管理業者が業務のために専有部分等に立ち入る際は、組合員等に対して請求をすることが原則です。しかし、一定の災害又は事故等の事由により、管理組合のために緊急に業務を行う必要があるときは、請求なしに専有部分等に立ち入ることができます。この場合、管理業者は、管理組合及び専有部分等に係る組合員等に対し、事後速やかに、報告をしなければなりません(標契14条)。
乙は、管理事務を行うため必要があるときは、組合員等に対して、その専有部分又は専用使用部分(以下「専有部分等」という。)への立入りを請求することができる。
2 前項の場合において、乙は、組合員等がその専有部分等への立入りを拒否したときは、その旨を甲に通知しなければならない。
3 第1項の規定にかかわらず、乙は、第9条第1項各号に掲げる災害又は事故等の事由により、甲のために緊急に行う必要がある場合、専有部分等に立ち入ることができる。この場合において、乙は、甲及び乙が立ち入った専有部分等に係る組合員等に対し、事後速やかに、報告をしなければならない。 - 適切。管理組合や組合員等が被った損害のうち、以下に起因するものについては管理業者は損害賠償責任を負いません(標契19条)。
- 自然災害
- 管理業者の責めによらない事故
- 管理業者が善管注意義務をしたにもかかわらず生じた管理対象部分の異常・故障
- 管理業者が書面で注意喚起したにもかかわらず、管理組合が承認しなかった事項
- 管理業者の責めによらない事由
乙は、甲又は組合員等が、第9条第1項各号に掲げる災害又は事故等(乙の責めによらない場合に限る。)による損害及び次の各号に掲げる損害を受けたときは、その損害を賠償する責任を負わないものとする。
一 乙が善良な管理者の注意をもって管理事務を行ったにもかかわらず生じた管理対象部分の異常又は故障による損害
二 乙が、書面をもって注意喚起したにもかかわらず、甲が承認しなかった事項に起因する損害
三 前各号に定めるもののほか、乙の責めに帰することができない事由による損害