管理業務主任者試験 令和3年試験 問9
問9
管理業務主任者が、管理費の滞納問題について、管理組合の理事会で行った次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。
- 管理費を滞納している区分所有者がその有する専有部分を第三者に賃貸しているときは、現に専有部分に居住している賃借人が、管理組合に対して管理費の支払義務を負います。
- 専有部分を2名の区分所有者が各2分の1の持分で共有しているときには、管理組合は、そのいずれか一方の区分所有者に対して滞納管理費の全額を請求することができます。
- 区分所有者が自己破産し、破産手続開始の決定があったときには、管理組合は、滞納管理費債権について、破産手続に参加することができます。
- 滞納管理費について、マンション管理業者は、地方裁判所においては、管理組合の訴訟代理人になることはできません。
正解 1
問題難易度
肢181.0%
肢23.9%
肢34.6%
肢410.5%
肢23.9%
肢34.6%
肢410.5%
分野
科目:5 - 管理実務細目:1 - 滞納対策
解説
- [不適切]。区分所有建物の占有者は、建物・敷地・附属施設の使用方法については、規約や集会決議に従う必要がありますが、管理費の支払義務までは負いません。専有部分が賃貸されている場合でも、法律上の支払義務を負うのは区分所有者であり、賃借人ではありません(区19条)。
各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。
- 適切。共有物の管理費は、共有物の使用収益という分割不能な利益の対価であるため、区分所有権の共有者が負う管理費等の支払債務は「不可分債務」であると解されています。不可分債務には連帯債務に関する規定が準用されることから、管理組合は、専有部分の共有者のいずれか1人に対し、滞納管理費の全額を請求することができます(民430条・民436条)。
第四款(連帯債務)の規定(第四百四十条の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。
債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
- 適切。破産手続開始の決定がされた場合、破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(破産債権)を有する者は、破産手続に参加することができます(破103条1項)。管理組合は、自己破産前に発生した管理費債権を有しているため、破産手続に参加することができます。
破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。
- 適切。管理組合の訴訟代理人となることができるのは、区分所有法上の管理者と管理組合法人、又は訴訟追行の委任を受けた弁護士(簡易裁判所では一定の司法書士・裁判所の許可を得た者も含む)に限られます(民訴54条1項)。本肢は地方裁判所ですから、弁護士ではないマンション管理業者が訴訟代理人となることはできません。
法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。