管理業務主任者試験 令和7年試験 問41

問41

Aが、自己所有の住戸をBに賃貸する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法によれば、最も適切なものはどれか。
  1. Bが、その住戸部分を居住の用ではなく、業務の用に供するために賃借した場合には、借地借家法の規定は適用されない。
  2. Bは、建物賃借権についての登記がなくても、Aから建物の引渡しを受けた場合には、その後に当該建物をAから買い受けた第三者に対して、建物賃借権を対抗することができる。
  3. AとBが、定期建物賃貸借契約を締結する場合には、必ず公正証書によってしなければならない。
  4. AB間の賃貸借契約の契約期間を定めなかった場合には、その契約は、期間1年の賃貸借契約とみなされる。

正解 2

問題難易度
肢19.0%
肢273.3%
肢310.9%
肢46.8%

解説

  1. 不適切。一時使用のためであることが明らかな場合を除き、建物の賃貸借に関しては、一律で借地借家法の適用があります。建物賃貸借の用途は限定されておらず、住居のほか、業務(事務所や店舗等)の用途もその対象に含まれます(借1条)。
    この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。
  2. [適切]。建物賃貸借は、賃借権の登記がなくても、建物の引渡しをもって第三者への対抗要件を満たします。このため、建物の引渡しを受けていれば、その後に所有者が変わった場合であっても、登記がなくして、新所有者に対し賃借権を対抗することができます(借31条)。
    建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
  3. 不適切。定期建物賃貸借の設定契約は書面又は電磁的記録で行うことが要件です。書面であればよいため、必ずしも公正証書によってする必要はありません(借38条1項)。
    【参考】
    借地借家法で公正証書による契約が求められるのは、事業用定期借地権等だけです。公正証書に限定している理由は、事業用定期借地権等の設定目的である「専ら事業用の建物(居住用を除く)の所有」について、要件を満たしているかどうかを公証人に審査させることで法の実効力を確保するためです。
    期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
  4. 不適切。①建物賃貸借の期間を定めなかったとき、又は②定期建物賃貸借以外で1年未満の存続期間を定めたときは、民法上の期間の定めのない賃貸借とみなされます(借29条)。この場合、当事者双方がいつでも解約を申し入れることができ、貸主からの解約申入れ(正当事由が必要)では6か月、借主からの解約申入れでは3か月の経過をもって契約終了となります。
    期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。
したがって適切な記述は[2]です。