管理業務主任者試験 令和7年試験 問40

問40

マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
  1. 管理組合が原告となり、管理費を滞納している区分所有者を被告として訴訟提起し、管理費債権が確定判決によって確定した場合には、その時効期間は5年となる。
  2. 管理組合が、管理費を滞納している区分所有者に対し書面で支払の催告を行う場合には、内容証明郵便でなく普通郵便であっても、時効の完成猶予としての効力が生じる。
  3. 管理費を滞納している区分所有者が死亡し相続が開始した場合には、管理費債権の消滅時効は更新され、その時から新たにその進行を始める。
  4. 管理費を滞納している区分所有者がその区分所有権を第三者に売却した場合には、前区分所有者の管理費債権の消滅時効は更新され、その時から新たにその進行を始める。

正解 2

問題難易度
肢117.9%
肢273.2%
肢33.8%
肢45.1%

解説

  1. 不適切。5年ではありません。確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年となります(民169条1項)。
    確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。
  2. [適切]。催告があったときは、その時から6か月を経過するまでの間、時効は完成しません(民150条1項)。催告の方式について特段の定めはないため、普通郵便や口頭であっても完成猶予の効力は生じます。実務上で内容証明郵便が用いられることが多いのは、法的証拠を確実に残すためです。
    催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
  3. 不適切。債務者の死亡やそれに伴う相続の開始そのものは、時効の更新事由ではありません(民147~152条)。相続人は被相続人の権利義務を承継するため、消滅時効についても死亡時点の状態をそのまま引き継ぎます(民896条)。
    相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
  4. 不適切。区分所有者の変更は、時効の更新事由ではありません(民147~152条)。そのため、売却があっても管理費債権の消滅時効は更新されることなく、従前の状態のまま進行し続けます。
    【補足】
    区分所有権の所有者が変わった場合、区分所有法により、新所有者が前所有者の滞納管理費の支払を求められることがありますが、従前の管理費債権が新所有者に移転するわけではありません。
したがって適切な記述は[2]です。