管理業務主任者試験 令和6年試験 問37

問37

次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)、標準管理規約(団地型)及び標準管理規約(複合用途型)によれば、不適切なものはいくつあるか。ただし、「標準管理規約」とのみ記載の場合は、標準管理規約(単棟型)、標準管理規約(団地型)及び標準管理規約(複合用途型)を全て含むものとする。
  1. 標準管理規約は、マンションの管理又は使用に関する事項等について定めることにより、区分所有者及び団地建物所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することを目的としている。
  2. 標準管理規約は、管理組合が、各マンションの実態に応じて、管理規約を制定、変更する際の参考として定めたものであり、特別な事情がない限りこれに準拠しなければならない。
  3. 標準管理規約(団地型)では、管理主体は団地建物所有者であり、共用部分と土地は、それぞれ団地共用部分と棟別共用部分、団地の土地と棟別敷地に区別され、団地と棟別の管理費等の収支については、それぞれ団地総会と棟総会によって議案が決議される。
  4. 標準管理規約(複合用途型)では、住宅部会と店舗部会の管理組織が構成されるため、店舗部分の承継人は、元の区分所有者が滞納した店舗一部管理費と店舗一部修繕積立金のみを承継することになる。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 3

解説

  1. 適切。標準管理規約の目的条文(1条)は、「この規約は、○○マンションの管理又は使用に関する事項等について定めることにより、『区分所有者/団地建物所有者』の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することを目的とする」とされており共通です。『』内は単棟型・複合用途型では区分所有者、団地型では団地建物所有者となります(標管[単]1条)。
    この規約は、○○マンションの管理又は使用に関する事項等について定めることにより、区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することを目的とする。
  2. 不適切。標準管理規約は、マンション管理適正化法が定める国の情報提供等の義務に基づき、管理組合が管理規約を制定、変更する際の参考として用意されているものです。ひな型・ガイドライン的な位置づけなので法的強制力はありません(標管[単]コ全般①)。
    管理組合が、各マンションの実態に応じて、管理規約を制定、変更する際の参考として、このマンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメントを作成し、その周知を図るものである。
  3. 不適切。標準管理規約(団地型)が対象とするのは、敷地が団地建物所有者に共有され、各棟やその共用部分の全部を団地全体で一元的に管理する場合です(下図参照)。会計は管理費等、団地修繕積立金、各棟修繕積立金に分かれますが、これらは団地管理組合が一元的に管理するため、会計関連の決議は団地総会で行われます(標管[団]50条3号・4号)。
    逆に棟別総会での決議事項は、区分所有法において棟ごとの決議が必要とされている事項(例:建替え等、滅失した共用部分の復旧、義務違反者への訴え提起)に限られます。
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    次の各号に掲げる事項については、団地総会の決議を経なければならない。
    ・・・
    三 収支決算及び事業報告
    四 収支予算及び事業計画
  4. 不適切。標準管理規約(複合用途型)では、次の6つの費用が区分経理の対象です(標管[複]32条)。
    1. 全体管理費(全員)
    2. 住宅一部管理費(住宅部分の区分所有者)
    3. 店舗一部管理費(店舗部分の区分所有者)
    4. 全体修繕積立金(全員)
    5. 住宅一部修繕積立金(住宅部分の区分所有者)
    6. 店舗一部修繕積立金(店舗部分の区分所有者)
    店舗部分の承継人は、全体管理費、店舗一部管理費、全体修繕積立金、店舗一部修繕積立金の4つを承継することになります。
    管理組合は、次の各号に掲げる費用ごとにそれぞれ区分して経理しなければならない。
    一 全体管理費
    二 住宅一部管理費
    三 店舗一部管理費
    四 全体修繕積立金
    五 住宅一部修繕積立金
    六 店舗一部修繕積立金
したがって不適切なものは「三つ」です。