管理業務主任者試験 令和6年試験 問32

問32

管理組合の役員に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、最も不適切なものはどれか。
  1. 禁錮以上の刑に処せられても、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過していれば、役員になることは可能である。
  2. 組合員である理事が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合に対応するため、あらかじめ組合員から補欠の理事を定めて、理事会の決議で選任することができる旨を管理規約に規定することができる。
  3. 役員が、管理組合と利益相反取引(直接取引又は間接取引)をしようとするときは、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
  4. 理事長は、総会の決議によって、理事のうちから選任する。

正解 4

解説

  1. 適切。役員の欠格事由とされるのは次の4つです(標管[単]36条の2)。
    1. 精神機能の障害によって、役員としての職務を適正に遂行するために必要な認知・判断・意思疎通が適切にできない者
    2. 破産者で復権を得ない者
    3. 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
    4. 暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者)
    過去に禁錮以上の刑を受けた場合でも、その刑の執行が終わるか、執行を受けないこととなった日から5年が経過すれば欠格事由に該当しないため、役員就任が可能です。
    次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
    一 精神の機能の障害により役員の職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者又は破産者で復権を得ない者
    二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
    三 暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)
  2. 適切。組合員である役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合には、あらかじめ補欠の役員を定めておき、その役員を理事会の決議で選任することができる旨を規約に定めることができます(標管[単]コ36条④)。
    役員が任期途中で欠けた場合、総会の決議により新たな役員を選任することが可能であるが、外部の専門家の役員就任の可能性や災害時等緊急時の迅速な対応の必要性を踏まえると、規約において、あらかじめ補欠を定めておくことができる旨規定するなど、補欠の役員の選任方法について定めておくことが望ましい。また、組合員である役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合には、組合員から補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、規約に規定することもできる。
  3. 適切。管理組合の役員が、自己・第三者のための取引または利益相反取引を行う場合、理事会でその取引に関する事実を開示し、承認を受けなければなりません(標管[単]37条の2)。
    役員は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
    一 役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき。
    二 管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき。
  4. [不適切]。理事長の選任・解任は、総会ではなく理事会の決議事項と明示されています(標管[単]35条3項)。総会決議が必要なのは「理事・監事」の選任です。
    理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事会の決議によって、理事のうちから選任し、又は解任する。
したがって不適切な記述は[4]です。