管理業務主任者試験 令和6年試験 問18

問18

鉄筋コンクリート造のマンションのコンクリート壁の劣化の補修に関する次の記述のうち、「建築保全標準・同解説 JAMS4-RC補修・改修設計規準」(一般社団法人日本建築学会)によれば、最も不適切なものはどれか。
  1. コンクリートの乾燥収縮による幅0.3mm程度の挙動のあるひび割れ先行型劣化の補修に、Uカットシール材充填じゅうてん工法を選定した。
  2. コンクリートのコールドジョイントによる幅0.2mm未満の、挙動のないひび割れ先行型劣化の補修に、シール工法を選定した。
  3. 中性化により発生した、鉄筋の腐食に伴うコンクリートの浮きに対し、断面修復による工法を選定した。
  4. 塩害によりコンクリートが浮きかかって生じたひび割れに対し、樹脂注入工法を選定した。

正解 4

問題難易度
肢19.4%
肢211.1%
肢327.8%
肢451.7%

解説

  1. 適切。ひび割れ先行型劣化のコンクリートの補修については、ひび割れ幅によって選択すべき工法が変わります。
    • 0.2mm未満 シール工法
    • 0.2mm - 1.0mm 樹脂注入工法、Uカットシール材充填工法(挙動ありに限る)
    • 1.0mm超 Uカットシール材充填工法
    本肢はひび割れ幅0.3mm程度のため、Uカットシール材充填工法の選択は適切です。
  2. 適切。ひび割れ先行型劣化のコンクリートの補修については、ひび割れ幅によって選択すべき工法が変わります。
    • 0.2mm未満 シール工法
    • 0.2mm - 1.0mm 樹脂注入工法、Uカットシール材充填工法(挙動ありに限る)
    • 1.0mm超 Uカットシール材充填工法
    本肢はひび割れ幅0.2mm未満のため、シール工法の選択は適切です。
  3. 適切。中性化・塩害に伴う鉄筋腐食型のコンクリートの補修は、①断面修復、②表面被覆、③表面含浸の3つを組み合わせて行います。断面修復は、鉄筋の腐食に伴うコンクリートの浮きや剥離が生じた部分をはつり取り、断面修復材で埋め戻しを行う工法であり、鉄筋腐食型の浮き・剥離・剥落に適用する基本的な工法です。
    【参考】中性化に対しては表面含浸である「再アルカリ化工法」も有効です。
  4. [不適切]。樹脂注入工法は、鉄筋腐食が進行する前のひび割れ部(ひび割れ先行型)に適用する工法であり、鉄筋腐食に伴うひび割れへの適用はできません。
    中性化・塩害に伴う鉄筋腐食型のコンクリートの補修は、①断面修復、②表面被覆、③表面含浸の3つを組み合わせて行います。鉄筋腐食型のひび割れには、劣化部位を含むひび割れ部分をはつり取り、断面修復材で埋め戻す断面修復工法を適用するのが基本です。
    【参考】塩害に対しては電気化学的補修工法である「電気防食工法」も有効です。
したがって不適切な記述は[4]です。