管理業務主任者試験 令和5年試験 問40

問40

マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
  1. 管理費の滞納者が、管理組合に対し、滞納管理費の額と滞納している事実を認めた場合は、その時から、当該債権について時効の更新の効力が生じる。
  2. 管理費の滞納者が死亡した場合は、その相続人が、当該マンションに居住しているか否かにかかわらず、それぞれの相続分に応じて、当該滞納管理費債務を承継する。
  3. 管理費の滞納者に対して訴訟を提起するためには、事前に内容証明郵便による督促を行う必要がある。
  4. 管理費の滞納者が死亡し、その相続人全員が相続放棄した場合は、いずれの相続人も滞納管理費債務を負わない。

正解 3

問題難易度
肢15.7%
肢23.8%
肢380.4%
肢410.1%

解説

  1. 適切。時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始めます(民152条1項)。滞納額・滞納の事実を認めたことは権利の承認に当たるため、その時点で時効は更新されます。
    時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
  2. 適切。被相続人が死亡時に有していた債権・債務は、相続開始の時にその相続分に応じて各共同相続人に承継されます(民896条民899条)。この際、可分債務である管理費支払債務は、遺産分割を待たずに法律上当然に分割され、各共同相続人がその法定相続分に応じて承継します(大決昭5.12.4)。相続人がマンションに居住しているか否かは関係ありません。
    相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
    各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。
    債務者が死亡し、相続人が数人ある場合に、被相続人の金銭債務その他の可分債務は、法律上当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じてこれを承継するものと解すべきである。
  3. [不適切]。訴訟を提起するには、有効な訴状を裁判所に提出すれば足ります(民訴134条)。実務では、相手方に支払いを強く求めて早期の解決を目指すために、訴訟前に内容証明郵便が利用されることが一般的ですが、これは訴え提起の要件ではありません。
    訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。
    2 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
    一 当事者及び法定代理人
    二 請求の趣旨及び原因
  4. 適切。相続の放棄をした者は、初めから相続人ではなかったものとみなされます(民939条)。相続人でない以上、被相続人の権利や義務を引き継ぐことはありませんから、全員が相続放棄した場合、いずれの相続人も支払義務を負いません。
    相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
したがって不適切な記述は[3]です。