管理業務主任者試験 令和5年試験 問35

問35

管理組合の役員に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、適切なものはいくつあるか。
  1. 組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。
  2. 理事は、管理組合に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を理事長に報告しなければならない。
  3. 役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる。
  4. 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、理事長に対し、直ちに、理事会の招集を請求しなければならない。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 2

解説

  1. 適切。標準管理規約では原則として組合員から役員を選ぶとしていますが、必要に応じ外部専門家も選任できるようにした条項も用意しています。外部人材を選任する際のの手順は、細則で定めるものとしています(標管[単]35条4項)。
    組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。
  2. 不適切。理事長ではありません。管理組合に著しい損害を及ぼすおそれの事実を発見した理事は、直ちにその事実を監事に報告する必要があります(標管[単]40条2項)。理事会のトップである理事長に報告しても自浄作用が働かない可能性があるため、外部的な立場にあり調査や報告、総会の招集権限をもつ監事に報告することになっています。
    理事は、管理組合に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を監事に報告しなければならない。
  3. 適切。管理組合の役員は、法や規約に基づき区分所有建物全体のために業務を行います。これらの業務負荷や心理的負担に対する正当な対価として、役員が必要経費の実費弁償のほか報酬を受け取ることを認めています(標管[単]37条2項)。
    役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる。
  4. 不適切。監事が、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、自ら臨時総会を招集することができます。招集できるのは理事会では総会です。また、この際理事長に対する招集の請求は不要です(標管[単]41条3項)。
    理事会の招集を請求できるのは、①理事に不正行為またはそのおそれがあるとき、②法令・規約・総会決議に違反する事実や著しく不当な事実があるときで、いずれの場合も招集の必要性があると認められるときです。
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    監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
したがって適切なものは「二つ」です。