管理業務主任者試験 令和5年試験 問26

問26

集会の招集通知に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、不適切なものはいくつあるか。
  1. 夫婦共有住戸で夫が議決権行使者としての届出があったが、夫が長期海外出張中だと分かっていた場合には、その妻にあてて招集通知を発しなければならない。
  2. 区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知しなかったときは、区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。
  3. 全ての区分所有者が建物内に住所を有する場合には、集会の招集の通知は、規約に特別の定めをしなくても、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。
  4. 集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 2

解説

  1. 不適切。専有部分が共有である場合、議決権を行使する者を1名定めることが必要であり、その者が指定されていれば、その者に招集の通知をすれば足ります(区35条2項)。たとえ長期不在であっても、正規の指定が変更されない限り、その指定者に通知すべきであり、他の共有者(たとえば妻)に通知する義務はありません。
    専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。
  2. 適切。集会の招集通知は、区分所有者から通知すべき場所が指定されている場合はその場所に、通知がない場合には専有部分に対して行います。本肢のように通知を受けるべき場所の指定がない場合、その区分所有者が所有する専有部分の所在地に宛てて通知を行えば足ります(区35条3項)。
    第一項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。
  3. 不適切。招集通知の掲示による通知は、建物内に住所を有する者に対しても、規約に特別の定めがあるときに限って可能です。したがって、規約の定めなく掲示のみで通知することはできません(区35条4項)。
    建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。
  4. 適切。全区分所有者の同意があれば、招集手続きを省略して集会を開くことができます。これは手続的な合理化措置として認められています(区36条)。なお、招集通知なしで開催される集会では、通知の有無による集会の決議事項の制限がありません。
    集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
したがって不適切なものは「二つ」です。