管理業務主任者試験 令和3年試験 問41
問41
区分所有者Aが、自己の所有するマンションの専有部分をBに賃貸する契約において、AB間で合意した次の特約のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、無効であるものを全て含む組合せはどれか。
- Bが、賃料を滞納した場合には、Aは、直ちに専有部分に入る玄関扉の鍵を取り替える特約
- Bは、賃貸借の契約期間中、中途解約できる特約
- Bが死亡したときは、同居する相続人がいる場合であっても、賃貸借契約は終了する特約
- BがAの同意を得て建物に付加した造作であっても、賃貸借契約の終了に際して、造作買取請求はできない特約
- エ
- ア・イ
- ア・ウ
- イ・ウ・エ
正解 3
問題難易度
肢14.3%
肢28.0%
肢382.6%
肢45.1%
肢28.0%
肢382.6%
肢45.1%
分野
科目:5 - 管理実務細目:3 - 不動産契約に係る法令
解説
- 無効である。我が国では、法の支配の下、自らの権利を実現するためには、自力救済によることは認められておらず、裁判等の法的な手続を経て権利を実現することが原則とされています。賃料滞納により直ちに玄関扉の鍵を取り替えることは、自力救済の違法性阻却要件を満たす場合を除いて違法な行為であり、その旨を約定する特約は公序良俗に反し、無効となります(判例)。
- 無効ではない。民法の賃貸借では、期間内に解約できる旨の特約(中途解約権の留保)があれば、中途解約することができます(民618条)。この考え方は建物の賃貸借でも同様であり、借主に中途解約権を認める特約は有効です。住宅の賃貸借では、この特約により借主がいつでも解約できるようになっているのが普通です。
当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。
- 無効である。借主が死亡しても、賃貸借契約は終了しません(賃借権は相続人に承継される)。また、建物の賃貸借においては、貸主の解約申入れには正当事由が必要とされており、これに反する特約で借主に不利なものとなります。本肢の「借主の死亡で当然に契約終了」とする特約は、借地借家法の規定に反するため無効となります(借28条・借30条)。
【参考】
高齢者住まい法に基づく終身建物賃貸借契約では、一定の要件を満たすことで、賃借人の死亡によって当然に賃貸借契約が終了するとされています。建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
- 無効ではない。造作買取請求権(借地借家法33条)は任意規定とされており、普通建物賃貸借・定期建物賃貸借を問わず、特約で排除することができます(借37条)。したがって、造作買取請求権を借主に認めない旨の特約は有効です。
第三十一条、第三十四条及び第三十五条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものは、無効とする。