管理業務主任者試験 令和3年試験 問30

問30

次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)又は標準管理規約(複合用途型)によれば、適切なものはいくつあるか。
  1. 窓枠及び窓ガラスの一斉交換工事は、総会の普通決議により行うことができる。
  2. 店舗用階段を店舗用エレベーターに変更する工事を行うためには、店舗部会の特別多数決議のみで足りる。
  3. 新築時から全戸に設置されている台所・浴室の換気扇の一斉取替えは、総会の普通決議により行うことができる。
  4. IT化工事に関し、既存のパイプスペースを利用して光ファイバー・ケーブルを敷設する工事は、総会の普通決議により行うことができる。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 2

解説

  1. 適切。窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事は、総会の普通決議で実施できます(標管[単]コ47条⑥ク)。
    窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事、既に不要となったダストボックスや高置水槽等の撤去工事は普通決議により、実施可能と考えられる
  2. 不適切。住宅部会・店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではなく、それぞれの部分の管理について協議をする組織です(標管[複]コ60条①)。よって、店舗部会での決議は不要です。階段を廃止してエレベーターを新規設置する工事は特別決議事項とされているため、総会の特別決議が必要です(標管[複]コ51条⑥ク)。
    住宅部会及び店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではないが、それぞれ住宅部分、店舗部分の一部共用部分の管理等について協議する組織として位置づけるものである。
    階段室部分を改造したり、建物の外壁に新たに外付けしたりして、エレベーターを新たに設置する工事は特別多数決議により実施可能と考えられる。
  3. 不適切。台所・浴室は専有部分の一部であり、各区分所有者が自分の責任で管理するべき部分です。そもそも管理組合の管理対象ではないため、総会で決議をしても実施することはできません。これらの設備は各戸の好みに合わせて選ぶのが普通なので、総会で一方的に変更を決めるのは横暴です。
  4. 適切。光ファイバーケーブルの敷設工事に関して、既存のパイプスペースを利用するなど共用部分の形状に変更を加えることなく実施できる場合には、総会の普通決議で実施できます(標管[単]コ47条⑥オ)。
    IT化工事に関し、光ファイバー・ケーブルの敷設工事を実施する場合、その工事が既存のパイプスペースを利用するなど共用部分の形状に変更を加えることなく実施できる場合や、新たに光ファイバー・ケーブルを通すために、外壁、耐力壁等に工事を加え、その形状を変更するような場合でも、建物の躯体部分に相当程度の加工を要するものではなく、外観を見苦しくない状態に復元するのであれば、普通決議により実施可能と考えられる。
したがって適切なものは「二つ」です。