管理業務主任者試験 令和3年試験 問11
問11
管理費の滞納に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 滞納者が、所有している専有部分を売却し、区分所有者でなくなった場合、その専有部分の買受人である区分所有者が滞納管理費債務を承継し、当該滞納者は滞納管理費債務を免れる。
- 滞納者が破産手続開始の決定を受けた場合でも、その決定だけでは、当該滞納者は管理費の支払義務を免れるわけではない。
- 滞納者が死亡し、その相続人全員が相続放棄した場合には、いずれの相続人も滞納管理費債務を負わない。
- 管理規約に管理費について遅延損害金の定めがない場合でも、民法に定める法定利率によって遅延損害金を請求することができる。
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正解 1
問題難易度
肢188.7%
肢25.3%
肢34.0%
肢42.0%
肢25.3%
肢34.0%
肢42.0%
分野
科目:5 - 管理実務細目:1 - 滞納対策
解説
- [不適切]。管理費その他の区分所有者が他の区分所有者に対して有する債権は、債務者である区分所有者の特定承継人に対しても行うことができます(区8条)。
条文から分かるように、本来の債務者たる当該区分所有者に加えて、特定承継人に対して重畳的な債務引受人としての義務を法定したものであり、前所有者の支払債務が新所有者に移転するわけではありません。両者の債務は併存し、いわゆる不真正連帯債務の関係になります(東京高判17.3.30)。前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。
債務者たる当該区分所有者の債務とその特定承継人の債務とは不真正連帯債務の関係にあるものと解される
管理費が滞納されているマンションの住戸を購入した買主は、購入時点で前区分所有者の滞納の事実及びその額について知らなかった場合には、管理組合に対して当該滞納債務の支払義務を負わない。(R6-39-2)専有部分の売買契約によって、滞納されていた管理費の支払義務は区分所有権を取得した買主に承継されるが、売主自身の支払義務が消滅するわけではない。(R5-39-3)競売手続によってマンションの区分所有権を取得した場合には、買受人は、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継しない。(R5-39-4)管理費を滞納している区分所有者からその区分所有するマンションを購入した買主は、売主の滞納管理費債務を承継するが、当該債務に係る遅延損害金の債務は承継しない。(R4-11-2)競売によって区分所有権を買い受けた者は、通常の売買の場合と異なり、前区分所有者の滞納管理費の支払債務を承継しない。(R1-10-1)管理費を滞納している区分所有者が、当該住戸を売却した場合、買主は、売買契約の締結時に滞納の事実を知らなかったとしても、当該滞納管理費の支払義務を負う。(H28-11-1)管理費を滞納している区分所有者が、当該住戸を贈与した場合、受贈者が滞納管理費の支払義務を負い、当該区分所有者はその義務を免れる。(H28-11-4) - 適切。破産手続によって債務の免責を受けるには、破産手続開始の決定を受けた後、1か月以内に「免責許可の申立て」を行って免責許可の決定を受ける必要があります(破248条1項・破253条1項)。また、破産手続により免責されるのは、破産手続開始前の原因に基づいて生じた債務(破産債権)に限られます(破2条5項)。
個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。
免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。
管理費の滞納者は、破産手続開始の決定を受けた場合には、管理組合に対して、同決定を受けた日の翌日以降の管理費の支払義務を負わない。(R6-39-1) - 適切。相続の放棄をした者は、初めから相続人ではなかったものとみなされます(民939条)。相続人でない以上、被相続人の権利や義務を引き継ぐことはありませんから、全員が相続放棄した場合、いずれの相続人も支払義務を負いません。
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
管理費の滞納者が死亡し、その相続人全員が相続放棄した場合は、いずれの相続人も滞納管理費債務を負わない。(R5-40-4) - 適切。金銭の支払債務について不履行があった場合、法定利率と約定利率の高いほうで算定した損害賠償額を請求することができます(民419条1項)。遅延損害金の定めがないときでも、民法の規定に基づいて、法定利率による遅延損害金を請求することが可能です。
金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
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