管理業務主任者試験 令和2年試験 問35

問35

敷地に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、その旨の登記により建物の敷地とすることができる。
  2. 甲地と乙地の2筆の土地の上に1棟のAマンションが建っていた場合には、規約で、甲地、乙地ともにAマンションの敷地とする旨の定めが必要である。
  3. 甲地と乙地の2筆の土地の上に1棟のAマンションが建っていた場合に、Aマンションの一部が滅失して、乙地上には建物部分がなくなったときは、乙地は、規約でAマンションの敷地であることを定めない限り、Aマンションの敷地ではなくなる。
  4. 1筆の甲地の上にAマンションが建っていたが、その後、甲地が乙地と丙地に分筆され、丙地上にAマンションの建物部分がなくなった場合には、丙地は、規約でAマンションの敷地であることを定めなくても、Aマンションの敷地である。

正解 4

解説

  1. 誤り。登記ではありません。区分所有者が建物と一体として管理・使用する庭や通路等の土地については、「規約」により建物の敷地とすることができます(区5条1項)。登記は対抗要件にはなりますが、敷地とする根拠は「規約」です。
    区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。
  2. 誤り。建物が実際に所在している土地(甲地・乙地)は、規約がなくても当然に建物の敷地となります。したがって、敷地とするために「規約での定め」は不要です(区2条5項)。
    この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。
  3. 誤り。建物の敷地(法定敷地)上の建物の全部又は一部が滅失し、その一部の土地上に建物が存在しなくなった場合、元々の法定敷地だった土地の部分は「規約で建物の敷地と定められた土地」とみなされます。よって、乙地は規約で定めなくても敷地であるとされます(区5条2項)。
    建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となつたときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となつたときも、同様とする。
  4. [正しい]。建物の敷地(法定敷地)が分筆により分割され、その一部の土地上に建物が存在しなくなった場合、元々の法定敷地だった土地の部分は「規約で建物の敷地と定められた土地」とみなされます。よって、丙地は規約で定めなくても敷地であるとされます(区5条2項)。
    建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となつたときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となつたときも、同様とする。
したがって正しい記述は[4]です。