管理業務主任者試験 令和2年試験 問34
問34
共用部分に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。- 区分所有法第2条第4項に規定される共用部分には、全体共用部分と一部共用部分がある。
- 一部共用部分を管理する団体は、全体共用部分を管理する団体とは別に、当然に団体が構成される。
- 一部共用部分は、全体の利害に関係する場合でも、規約を定めなければ、区分所有者全員で管理することはできない。
- 民法第177条の登記に関する規定は、法定共用部分には適用しない。
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正解 3
分野
科目:2 - 区分所有法等細目:1 - 専有部分・共用部分・敷地
解説
- 正しい。区分所有法では「専有部分以外の建物の部分」などを共用部分と定義しています。このうち、「全体共用部分」は区分所有者全員の共有に属する部分、「一部共用部分」は一部の区分所有者のみが共有する部分です(区11条1項)。
共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
- 正しい。一部共用部分の管理も、区分所有者全員で構成される団体(管理組合)で行うことが原則であり、別個に自動的に団体が構成されるわけではありません。一部共用部分を共用すべき区分所有者がその管理をすることも認められていますが、これが「当然に別の団体が構成される」ことを意味するわけではありません(区3条1項)。
区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。
- [誤り]。規約の定めは不要です。一部共用部分の管理について、区分所有者全員の利害に関係する場合には、「規約を定めなくても」区分所有者全員で管理します(区16条)。
一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は第三十一条第二項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。
- 正しい。民法177条(不動産の対抗要件)は法定共用部分には適用されません。すなわち、法定共用部分については、登記の有無にかかわらず権利の得喪を第三者に対抗することができます(区11条3項)。共用部分は構造上の独立性がなく登記の対象ではありません。また、専有部分の処分に従うため、専有部分の登記があれば共用部分は不要です。
民法第百七十七条の規定は、共用部分には適用しない。
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