管理業務主任者試験 令和2年試験 問2
問2
マンションの区分所有者Aは、リフォーム会社Bとの間で、住戸内の浴室をリフォームする内容の請負契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結したが、この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。- Bの施工ミスにより浴室から水漏れが生じていても、修補が可能な場合には、AはBに対して、直ちに代金減額請求をすることはできない。
- Bの工事完成前に、Aが破産手続開始の決定を受けたときは、B又は破産管財人は、本件契約の解除をすることができる。
- Bが本件契約内容に適合した工事を完成させた場合であっても、Aは、Bに生じる損害を賠償すれば、本件契約の解除をすることができる。
- Bの工事完成後に、完成品に本件契約内容との不適合があることをAが知った場合には、AはBに対し、その時から1年以内にその旨を通知しなければ、追完請求としての修補請求をすることはできない。
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正解 3
分野
科目:1 - 民法細目:4 - 契約
解説
- 正しい。請負契約には、売買の担保責任に関する規定が準用されます。注文者はまず相当の期間を定めて修補などの「履行の追完」を催告し、その期間内に追完がない場合に限り「代金減額」を請求できます(民563条1項)。
前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
- 正しい。注文者が破産手続開始の決定を受けた場合、請負人または破産管財人は契約を解除できます(民642条1項)。工事完成後は請負人からの解除が制限されますが、完成前なら解除権が認められます。
注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人は、契約の解除をすることができる。ただし、請負人による契約の解除については、仕事を完成した後は、この限りでない。
- [誤り]。請負契約の注文者は、仕事が完成するまでの間であれば、損害を賠償して請負契約をいつでも解除することができます(民641条)。完成後は契約目的が達成されているため、損害を賠償しても解除できません。
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
- 正しい。請負人の契約不適合責任を追及するには、売買契約と同様に、注文者が不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知する必要があります(民637条)。この期間内に通知しなければ追完請求等の権利を失います。
前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
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