管理業務主任者試験 令和元年試験 問42
問42
Aが所有するマンションの一住戸について、自らを貸主とし、借主Bと、期間を5年とする定期建物賃貸借契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結しようとする場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 本件契約において、相互に賃料の増減額請求をすることはできない旨の特約は無効である。
- Aは、本件契約を締結するに当たり、あらかじめBに対し、本件契約期間満了後の更新はなく終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならないが、本件契約書に明確にその旨が記載され、Bがその内容を認識しているときは、説明をしなくてもよい。
- 本件契約の期間を6箇月とした場合においては、本件契約は期間の定めのない契約とみなされる。
- 本件契約の目的が、事業用のものであるか否かにかかわらず、公正証書による等書面によりしなければならない。
正解 4
問題難易度
肢19.2%
肢23.8%
肢319.1%
肢467.9%
肢23.8%
肢319.1%
肢467.9%
分野
科目:5 - 管理実務細目:3 - 不動産契約に係る法令
解説
- 誤り。定期建物賃貸借において賃料の改定に係る特約がある場合には、借地借家法の規定よりもその特約が優先されます(借38条9項)。このため、定期建物賃貸借契約である本件契約では、増額請求と減額請求をともに排除する旨の特約を有効に定めることができます。
第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。
- 誤り。定期建物賃貸借をしようとする賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく期間の満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面又は電磁的記録を交付して説明する必要があります(借38条3項)。
本肢は、まず説明をしない点が誤りです。また、この事前書面は、契約書とは別個独立の書面であることが求められるため、契約書の中に記載するだけでは要件を満たしません(最判平24.9.13)。第一項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
借地借家法38条3項所定の書面は、賃借人が、その契約に係る賃貸借は契約の更新がなく,期間の満了により終了すると認識しているか否かにかかわらず、契約書とは別個独立の書面であることを要する。
- 誤り。定期建物賃貸借では、契約期間について上限も下限もありません(借38条1項)。したがって、1年未満の期間であっても有効に定めることができます。例えば、マンスリーマンションやウィークリーマンションでは、定期建物賃貸借を利用して、1か月や1週間といった短期間の契約が設定されています。
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
- [正しい]。定期建物賃貸借は、建物の用途を問わず「公正証書による等の書面」で契約をすることが成立要件とされています(借38条1項)。「公正証書による等の書面」という表現は条文特有で分かりにくいですが、公正証書などの書面という意味であるため、書面又は電磁的記録であれば要件を満たします。
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。