管理業務主任者試験 令和元年試験 問30

問30

次の記述のうち、標準管理規約(団地型)の定めによれば、団地総会の決議を必要とせず、棟総会の決議のみで決することができる事項はどれか。
  1. 各棟修繕積立金の保管及び運用方法
  2. 1棟を同一規模の建物に建て替える場合の建替え決議の承認
  3. 各棟の階段及び廊下の補修工事
  4. 建物の一部が滅失した場合の滅失した棟の共用部分の復旧

正解 4

解説

  1. できない。標準管理規約(団地型)の会計は、管理費・団地修繕積立金・各棟修繕積立金で区分経理されますが、これらは団地管理組合が一元的に管理します。よって、各棟修繕積立金の保管・運用方法も団地総会で決議します(標管[団]50条7号)。
    次の各号に掲げる事項については、団地総会の決議を経なければならない。
    ・・・
    七 団地修繕積立金及び各棟修繕積立金の保管及び運用方法
  2. できない。区分所有法では、団地内の特定建物の建替えに関し、その建物の建替え決議があった上で、団地管理組合において議決権の4分の3以上の賛成による建替え承認決議が必要としています。これは法定の制限であり、標準管理規約(団地型)でも同様です(標管[団]50条12号標管[団]72条4号)。よって、棟別総会だけでは決議できません。
    次の各号に掲げる事項については、団地総会の決議を経なければならない。
    ・・・
    十二 区分所有法第69条第1項の場合の建替えの承認
    次の各号に掲げる事項については、棟総会の決議を経なければならない。
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    ・・・
    四 区分所有法第62条第1項の場合の建替え及び円滑化法第108条第1項の場合のマンション敷地売却
  3. できない。標準管理規約(団地型)の対象は、敷地が団地建物所有者に共有され、各棟やその共用部分の全部を団地全体で一元的に管理する団体です。各棟の共用部分、団地共用部分のいずれも、計画修繕等の特別の管理は団地総会の決議で決します(標管[団]50条10号)。
    次の各号に掲げる事項については、団地総会の決議を経なければならない。
    ・・・
    十 第28条第1項又は第29条第1項に定める特別の管理の実施(第72条第三号及び第四号の場合を除く。)並びにそれに充てるための資金の借入れ及び団地修繕積立金又は各棟修繕積立金の取崩し
  4. [できる]。建物の一部が滅失した場合の、その棟の共用部分の復旧は棟別総会のみで決議できます(標管[団]72条3号)。区分所有法では、建物の一部が滅失した場合の復旧等、義務違反者に対する措置については団地管理組合に準用しておらず、原則どおり各棟ごとに決議を行うことが要求されるためです。
    次の各号に掲げる事項については、棟総会の決議を経なければならない。
    ・・・
    三 建物の一部が滅失した場合の滅失した棟の共用部分の復旧
したがって棟総会の決議のみでできる事項は[4]です。