管理業務主任者試験 令和元年試験 問11(改題)
問11
マンションの管理費の支払債務の時効の完成猶予及び更新に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
- 管理費の滞納者が死亡した場合においては、時効は更新される。
- 管理費の滞納者が破産手続開始の決定を受けた場合においては、その破産手続開始決定の時に時効の完成が猶予される。
- 管理費の滞納者に対して内容証明郵便による催告をしても、催告後6箇月以内に裁判上の請求など一定の手続をとらないと、時効の完成猶予の効力は失われる。
- 管理費の滞納者が、滞納している事実を認める旨の承認書を管理組合に提出した場合においては、その承認書が公正証書によるものでなくても、時効が更新する。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
正解 2
問題難易度
肢116.9%
肢256.5%
肢325.3%
肢41.3%
肢256.5%
肢325.3%
肢41.3%
分野
科目:5 - 管理実務細目:1 - 滞納対策
解説
- 誤り。債務者の死亡やそれに伴う相続の開始そのものは、時効の更新事由ではありません(民147~152条)。相続人は被相続人の権利義務を承継するため、消滅時効についても死亡時点の状態をそのまま引き継ぎます(民896条)。
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
- 誤り。裁判上の請求等に関して、時効の完成猶予の事由とされるのは、次に掲げる場合です(民147条1項)。破産手続開始の決定だけでは、時効の完成は猶予されません。時効の完成猶予となるのは、破産手続参加があった時点です。
- 裁判上の請求
- 支払督促
- 裁判上の和解・民事調停
- 破産手続参加・再生手続参加・更生手続参加
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 - 正しい。催告があったときは、その時から6か月を経過するまでの間、時効は完成しません。ただし、催告による時効の完成猶予期間中に再度の催告を行っても、完成猶予の期間を延長することはできません(民150条)。つまり、最初に催告を行ってから6か月が経過すると、その催告による完成猶予の効力はなくなります。そのため、完成猶予の状態を維持したい場合には、裁判上の請求を行うなど、次の手続に進む必要があります。
催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。 - 正しい。時効は、権利の承認があったときは、その時から新たに進行を開始します(民152条1項)。承認の方式に特段の定めはないため、公正証書ではなくても(仮に口頭であっても)時効は更新されます。
時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。