管理業務主任者試験 令和元年試験 問10

問10

マンションの管理費又はその滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 競売によって区分所有権を買い受けた者は、通常の売買の場合と異なり、前区分所有者の滞納管理費の支払債務を承継しない。
  2. 区分所有者は、自己の所有する住戸を賃貸し、そこに賃借人が居住するときでも、管理費の支払債務を負う。
  3. 管理者が病気で長期入院した場合においては、その期間の滞納管理費の消滅時効は、完成しない。
  4. 管理者は、滞納管理費に対する支払請求訴訟を提起するためには、管理費の滞納者に対し、あらかじめ書面により滞納管理費に対する支払督促をしておかなければならない。

正解 2

問題難易度
肢15.3%
肢284.1%
肢35.3%
肢45.3%

解説

  1. 誤り。区分所有法では、滞納管理費等の債権は「特定承継人」に対しても請求できるとされています(区8条)。特定承継人とは、売買・贈与・競売などによって特定の財産を引き継いだ人を指します。競売の買受人も特定承継人に含まれるため、滞納管理費の支払義務は買受人に承継されます。
  2. [正しい]。区分所有建物の占有者は、建物・敷地・附属施設の使用方法については、規約や集会決議に従う必要がありますが、管理費の支払義務までは負いません。専有部分が賃貸されている場合でも、法律上の支払義務を負うのはあくまでも区分所有者です(区19条)。
    各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。
  3. 誤り。管理費支払請求権は管理組合に帰属しており、管理者は管理組合を代理して請求や回収を行う立場です。代理人である管理者の病気入院は、時効の完成猶予とは関係がありません(民147~152条)。
  4. 誤り。訴訟を提起するには、有効な訴状を裁判所に提出すれば足ります(民訴134条)。支払督促は、訴訟外で簡便に債権回収を図る方法の一つですが、これは訴え提起の要件ではありません。
    訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。
    2 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
    一 当事者及び法定代理人
    二 請求の趣旨及び原因
したがって正しい記述は[2]です。