管理業務主任者試験 平成30年試験 問40(改題)
問40
買主Aが売主Bからマンションの1住戸を買ったところ、その専有部分の品質について契約の内容に対する不適合(以下、本問において「本件不適合」という。)があった場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、AとBは、ともに宅地建物取引業者ではない個人とする。- 売買契約において、BがAに対して本件不適合の担保責任を一切負わない旨の特約をした場合には、Bが本件不適合を知りながら、Aに告げなかったときであっても契約不適合責任を負わない。
- 売買契約において、別段の特約がない限り、Aが、売買の目的物の引渡しを受けた時から1年以内にBに対して本件不適合の事実を通知をしなければ、Bは契約不適合責任を免れる。
- 売買契約において、AとBが契約不適合責任について何らの取り決めをしなかった場合でも、AはBに対して、契約不適合責任を追及することができる。
- AがBに対して、目的物の修補請求をするときは、Bが定める補修方法によらなければならない旨の特約は無効である。
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正解 3
分野
科目:1 - 民法細目:4 - 契約
解説
- 誤り。個人同士の契約であれば、契約不適合責任を免除する特約を有効に設けることが可能です。ただし、売主が不適合を知りながら買主に告げなかった事実については、その責任を免れることはできません(民572条)。この規定は強行法規であり、特約による変更は許されません。
売主は、第五百六十二条第一項本文又は第五百六十五条に規定する場合における担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。
- 誤り。引渡しからではありません。種類又は品質に関する契約不適合責任の通知期間は、買主が不適合を知った時から1年間です(民566条)。
売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
- [正しい]。契約不適合責任は契約上の債務不履行に基づくものであるため、特約がなくても民法の規定により責任を問うことができます。買主に認められる権利は、追完請求権、代金減額請求、契約解除、損賠賠償請求の4つです。
- 誤り。追完請求を受けた売主は、それが買主に不相当の負担を課するものでなければ、買主が請求した方法と異なる方法で履行の追完をすることができます(民562条1項)。明文で認められている以上、契約自由の原則に基づき、売主Bが定める補修方法による旨の特約も条件を満たせば有効となります。
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
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