管理業務主任者試験 平成30年試験 問12

問12

管理組合の会計等における理事長の職務に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、最も不適切なものはどれか。
  1. 毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得なければならない。
  2. 会計年度の開始後、収支予算案が通常総会で承認を得るまでの間に、通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、収支予算案が通常総会で承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるものについては、理事会の承認を得ずに支出を行うことができる。
  3. 収支予算を変更しようとするときは、その案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない。
  4. 毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て、通常総会に報告し、その承認を得なければならない。

正解 2

解説

  1. 適切。理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、承認を得なければなりません(標管[単]58条1項)。
    理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得なければならない。
  2. [不適切]。理事会の承認が必要です。総会は、新会計年度開始以後2か月以内に招集することになっているため、会計年度開始後、予算承認までの「つなぎ」の支出が生じます。このため、会計年度開始後に生じる支出のうち、①通常の管理費用で経常的なもの、②長期工事に係るやむを得ない経費 については、予算承認前であっても、理事長が理事会の承認を得て支出することが認められています(標管[単]58条3項)。
    理事長は、第56条に定める会計年度の開始後、第1項に定める承認を得るまでの間に、以下の各号に掲げる経費の支出が必要となった場合には、理事会の承認を得てその支出を行うことができる。
    一 第27条に定める通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの
    二 総会の承認を得て実施している長期の施工期間を要する工事に係る経費であって、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの
  3. 適切。収支予算案を変更するときは、臨時総会にその案を提出し、承認を得なければなりません(標管[単]58条2項)。当初の予算案は総会決議での承認が必要なため、変更案についても同様の手続きを求めています。
    収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない。
  4. 適切。収支決算案は、監事の会計監査を経て、通常総会に報告し、承認を得なければなりません(標管[単]59条)。やむを得ない場合でも、会計監査を後回しにすることはできません。
    理事長は、毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て、通常総会に報告し、その承認を得なければならない。
したがって不適切な記述は[2]です。