管理業務主任者試験 平成30年試験 問9
問9
次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、最も不適切なものはどれか。
- 宅地建物取引業者が媒介等の業務のために、管理規約等の提供・開示を求めてきた場合に、マンション管理業者が、当該宅地建物取引業者に対して、管理規約等の提供・開示を行うときは、管理規約等において宅地建物取引業者等への提供・開示に関する根拠が明確に規定されるとともに、これと整合的に管理委託契約書においてマンション管理業者による提供・開示に関して規定されることが必要である。
- マンション管理業者は、理事会支援業務や総会支援業務について、区分所有法及び管理組合の管理規約に照らし、当該管理組合の管理者等以外に、正規に招集の権限があると考えられる者から当該支援業務に関する契約書に規定する業務の履行の要求があった場合は、これを拒否すべき正当な理由がある場合を除き、業務を履行すべきである。
- 理事会及び総会の議事録については、議事の経過の要点及びその結果を記載する必要があり、「議事の経過」とは議題、議案、討議の内容及び採決方法等を指すところ、それらの要点を記載することで足り、すべての発言を一言一句記録するものではないが、議事に影響を与える重要な発言は記録することに留意する必要がある。
- マンション管理業者が管理事務の一部を第三者に再委託した場合においては、当該マンション管理業者は、再委託した管理事務の適正な処理について、管理組合に対する責任を免れる。
正解 4
問題難易度
肢12.1%
肢20.7%
肢30.7%
肢496.5%
肢20.7%
肢30.7%
肢496.5%
分野
科目:4 - マンション管理適正化法細目:7 - 標準管理委託契約書
解説
- 適切。管理業者が宅建業者や組合員に対して行う情報の提供・開示は、本来は管理組合が主体となって行うべきものです。管理業者が管理組合に代わって情報提供を行う場合、管理委託契約書に定められた範囲内であるとともに、これと整合的にマンションの規約や細則において開示の根拠が明確にされている必要があります(標契コ15条関係②)。
本来、宅地建物取引業者等への管理組合の管理規約、管理組合が作成し保管する会計帳簿、什器備品台帳及びその他の帳票類並びに管理組合が保管する長期修繕計画書及び設計図書(コメント15及びコメント44において「管理規約等」という。)の提供及び別表第5に掲げる事項の開示は管理規約及び使用細則の規定に基づき管理組合が行うべきものであるため、これらの事務を管理業者が行う場合にあっては、管理規約及び使用細則において宅地建物取引業者等への提供・開示に関する根拠が明確に規定されるとともに、これと整合的に本契約書において、管理業者による提供・開示に関して規定されることが必要である。
- 適切。標準管理委託契約書では、管理組合から管理業者への指示は、管理組合の管理者等から管理業者の指定した使用人等に対して行うのが原則とされています(標契8条)。しかし、本規定では「法令の定めに基づく場合を除き」と例外を定めており、例えば区分所有者が集会の招集を請求したり、規約に基づき理事が理事会の招集を求めたりするなどがこれに該当します。このように正当な権限者から支援業務の履行を要求されたときには、拒否すべき正当な理由がある場合を除き、管理業者はその業務を履行すべきとされます(標契コ別表第1-2関係⑨)。
本契約に基づく甲の乙に対する管理事務に関する指示については、法令の定めに基づく場合を除き、甲の管理者等又は甲の指定する甲の役員が乙の使用人その他の従業者(以下「使用人等」という。)のうち乙が指定した者に対して行うものとする。
理事会支援業務や総会支援業務について、区分所有法及び管理組合の管理規約に照らし、管理組合の管理者等以外の正規に招集の権限があると考えられる者から当該支援業務に関する契約書に規定する業務の履行の要求があった場合にも、これを拒否すべき正当な理由がある場合を除き、管理業者は業務を履行すべきものである。
- 適切。理事会及び総会の議事録(案)の作成にあたっては、議事の経過(議題・議案・討議の内容・採決方法等)の要点及びその結果を記載すれば足り、すべての発言を一言一句記録する必要はありませんが、議事に影響を与える重要な発言については記録する必要があります(標契コ別表第1-2関係⑤)。
理事会及び総会の議事録は、管理組合の活動の重要な資料となることを踏まえ、管理業者に議事録の案の作成を委託する場合は、その内容の適正さについて管理組合がチェックする等、十分留意する。議事録については、議事の経過の要点及びその結果を記載する必要がある。「議事の経過」とは議題、議案、討議の内容及び採決方法等を指すが、それらの要点を記載することで足り、すべての発言を一言一句記録するものではない。しかし、議事に影響を与える重要な発言は記録することに留意する。
- [不適切]。管理業者が管理事務の一部を第三者に再委託すること自体は認められています。しかし、再委託した場合でも、管理事務の適正な処理についての責任は、管理業者が管理組合に対して負います(標契4条2項)。管理委託契約は管理組合と管理業者との信頼関係を基礎とするものであるため、管理事務を第三者に再委託する場合であっても、管理業者は自らの責任と管理体制の下で業務を処理すべきであるためです(標契コ4条関係②)。
乙が前項の規定に基づき管理事務を第三者に再委託した場合においては、乙は、再委託した管理事務の適正な処理について、甲に対して、責任を負う。
本契約は、管理組合と管理業者の信頼関係を基礎とするものであるから、管理事務を第三者に再委託する場合においても、管理業者は、自らの責任と管理体制の下で処理すべきものである。