管理業務主任者試験 平成29年試験 問44
問44
区分所有者Aが、自己所有のマンションの専有部分についてBと定期建物賃貸借契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 本件契約は、公正証書によってしなければならない。
- 本件契約は、期間を1年未満とすることもできる。
- 本件契約を締結するに当たり、Aが、あらかじめBに対し、期間満了により当該建物の賃貸借が終了し、契約の更新がないことについて書面を交付して説明しなかった場合には、契約の更新がないこととする旨の本件契約の定めは無効となる。
- 本件契約においては、相互に賃料の増減額請求をすることはできない旨の特約は有効である。
正解 1
問題難易度
肢176.7%
肢26.9%
肢311.2%
肢45.2%
肢26.9%
肢311.2%
肢45.2%
分野
科目:5 - 管理実務細目:3 - 不動産契約に係る法令
解説
- [誤り]。定期建物賃貸借の設定契約は書面又は電磁的記録で行うことが要件です。書面であればよいため、必ずしも公正証書によってする必要はありません(借38条1項)。
【参考】
借地借家法で公正証書による契約が求められるのは、事業用定期借地権等だけです。公正証書に限定している理由は、事業用定期借地権等の設定目的である「専ら事業用の建物(居住用を除く)の所有」について、要件を満たしているかどうかを公証人に審査させることで法の実効力を確保するためです。期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
- 正しい。定期建物賃貸借では、契約期間について上限も下限もありません(借38条1項)。したがって、1年未満の期間であっても有効に定めることができます。例えば、マンスリーマンションやウィークリーマンションでは、定期建物賃貸借を利用して、1か月や1週間といった短期間の契約が設定されています。
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
- 正しい。定期建物賃貸借をしようとする賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく期間の満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面又は電磁的記録を交付して説明する必要があります(借38条3項)。この事前書面の交付・説明をしなかった場合には、「更新なし」の定めは無効となり、普通建物賃貸借として扱われます。
- 正しい。定期建物賃貸借において賃料の改定に係る特約がある場合には、借地借家法の規定よりもその特約が優先されます(借38条9項)。このため、定期建物賃貸借契約である本件契約では、増額請求と減額請求をともに排除する旨の特約を有効に定めることができます。
第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。