管理業務主任者試験 平成29年試験 問42(改題)

問42

マンションの建替え等の円滑化に関する法律の規定によれば、マンション敷地売却に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問において、「マンション」とは、同法第2条第1項第1号に規定するものとする。
  1. 建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する耐震診断が行われた結果、耐震性が不足していると認められたマンションの管理者等は、特定行政庁に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができる。
  2. 特定要除却認定を受けたマンションについては、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数で、当該マンション及びその敷地(敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議をすることができる。
  3. マンション敷地売却組合は、その名称中に「マンション敷地売却組合」という文字を用いた法人でなければならない。
  4. マンション敷地売却組合を設立するためには、マンション敷地売却合意者が5人以上共同して、定款及び資金計画を定め、都道府県知事等の認可を求めるとともに、マンション敷地売却組合の設立について、マンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の5分の4以上の同意を得なければならない。

正解 4

解説

  1. 正しい。マンションが地震に対する安全性について耐震改修促進法の基準を満たしていない場合、そのマンションの管理者等は、特定行政庁に要除却認定の申請を行うことができます(円102条1項)。
    マンションの管理者等(区分所有法第二十五条第一項の規定により選任された管理者(管理者がないときは、区分所有法第三十四条の規定による集会(以下「区分所有者集会」という。)において指定された区分所有者)又は区分所有法第四十九条第一項の規定により置かれた理事をいう。第百五条の二において同じ。)は、国土交通省令で定めるところにより、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第三十五号に規定する特定行政庁(以下単に「特定行政庁」という。)に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができる。
  2. 正しい。特定要除却認定を受けたマンションは、集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分価格の各5分の4以上の多数で、マンション敷地売却決議をすることができます(円108条1項)。
    特定要除却認定
    要除却認定のうち、地震、火災、外壁の剥離落下を事由として受けた認定
    特定要除却認定を受けた場合において、特定要除却認定マンションに係る敷地利用権が数人で有する所有権又は借地権であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数で、当該特定要除却認定マンション及びその敷(当該敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)をすることができる。
  3. 正しい。マンション敷地売却組合は、その名称中に「マンション敷地売却組合」という文字を用いなければなりません。また、マンション敷地売却組合以外の者は、「マンション敷地売却組合」を含む名称を用いることが禁止されます(円119条)。
    組合は、その名称中にマンション敷地売却組合という文字を用いなければならない。
    2 組合でない者は、その名称中にマンション敷地売却組合という文字を用いてはならない。
  4. [誤り]。5分の4ではありません。マンション敷地売却組合を設立するためには、敷地売却合意者5人以上が共同して、定款及び事業計画を定め、都道府県知事等の認可を受けます。設立の申請には、マンション敷地売却合意者の議決権及び敷地利用権の持分価格の各4分の3以上の同意が必要です(円120条2項)。
    設立の認可申請に係る必要同意数(4分の3)は、建替え組合、敷地分割組合でも同じです。
    前項の規定による認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計がマンション敷地売却合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上であり、かつ、同意した者の敷地利用権の持分の価格の合計がマンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
したがって誤っている記述は[4]です。