管理業務主任者試験 平成29年試験 問37

問37

集会の招集及び決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。
  1. 管理者を解任するには、集会において区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要である。
  2. 共用部分の変更で、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものについては、集会において区分所有者及び議決権の各過半数による決議が必要である。
  3. 集会の招集手続を省略して集会を開くには、区分所有者全員の同意が必要である。
  4. 規約を変更するには、集会において区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要であり、この場合において、当該変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾が必要である。

正解 1

解説

  1. [誤り]。管理者の解任は、集会の普通決議で決する事項です。規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の過半数で足ります(区25条1項)。
    区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。
  2. 正しい。形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更(重大変更)は特別決議(4分の3以上)を必要とする事項ですが、重大ではない共用部分の変更は、集会の普通決議で決する事項です。規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の過半数で足ります(区17条1項)。
    共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
  3. 正しい。区分所有者全員の同意があれば、招集手続を省略して集会を開くことができます(区36条)。
    法定の招集通知の手続きは、集会への出席機会を確保するため厳格に定められています。しかし、全員同意があれば、区分所有者が集まった場でそのまま集会を開催したり、事前の通知なく集会を開催したりといったことが可能となります。これは、区分所有者全員が招集手続の省略に同意していれば、出席機会の確保に実質的な支障が生じないためです。
    集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
  4. 正しい。規約の設定・変更・廃止には、特別決議(4分の3以上)が必要であり、さらにそれが一部の区分所有者に特別の影響を与える場合には、その承諾が必要です(区31条1項)。
    規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
したがって誤っている記述は[1]です。