管理業務主任者試験 平成29年試験 問35
問35
区分所有法第7条に規定される先取特権に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 区分所有者は、共用部分、建物の敷地又は共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。
- 区分所有者は、規約又は集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。
- 管理者又は管理組合法人は、その職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。
- 区分所有法第7条に規定される先取特権は、優先権の順位、効力及び目的物については、民法に規定される共益費用の先取特権とみなされる。
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正解 4
問題難易度
肢113.4%
肢29.5%
肢314.7%
肢462.4%
肢29.5%
肢314.7%
肢462.4%
分野
科目:2 - 区分所有法等細目:2 - 区分所有者の権利義務
解説
- 正しい。区分所有者は、共用部分や敷地、附属施設に関する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む)および建物に備え付けた動産の上に先取特権を有します(区7条1項)。
区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
- 正しい。区分所有者は、規約又は集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む)および建物に備え付けた動産の上に先取特権を有します(区7条1項)。管理費や修繕積立金など、規約や集会決議によって定められた費用負担も、未払いが生じた場合には、債務者の区分所有権等に対する先取特権により保護されます。
- 正しい。管理者や管理組合法人が業務上有する債権についても、先取特権が認められる旨が定められています。例えば、管理者や管理組合法人が行う管理業務(清掃費、維持管理費等)に対する未払い費用も先取特権の対象になります(区7条1項)。
- [誤り]。目的物は含まれません。区分所有者に認められる先取特権は、優先権の順位及び効力について共益費用の先取特権とみなされます(区7条2項)。
共益費用の先取特権は「一般の先取特権」というカテゴリであり、一般債権者には優先しますが、不動産などの特別の財物を対象とする先取特権や登記を備えた担保権には劣後します(民329条)。前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。
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