管理業務主任者試験 平成29年試験 問33

問33

管理組合の役員の職務に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、最も不適切なものはどれか。
  1. 会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行う。
  2. 理事長は、管理組合が締結した共用部分等に関する損害保険契約に基づく保険金額の請求及び受領について、区分所有者を代理する。
  3. 理事長は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させ、その結果を具申させることができる。
  4. 大規模な災害や突発的な被災では、理事会の開催も困難な場合があることから、そのような場合には、保存行為に限らず、応急的な修繕行為の実施まで理事長単独で判断し実施することができる旨を、規約において定めることもできる。

正解 3

解説

  1. 適切。会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行うことを職務とします(標管[単]40条3項)。
    会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行う。
  2. 適切。管理組合は共用部分の管理の一環として、損害保険契約をすることができます。理事長は区分所有法上の管理者として、保険金額の請求・受領について区分所有者を代表します(標管[単]24条2項)。
    理事長は、前項の契約に基づく保険金額の請求及び受領について、区分所有者を代理する。
  3. [不適切]。理事長ではありません。専門委員会(検討対象に関心が強い組合員を中心に構成される理事会の諮問機関)を設置できる主体は「理事会」です。理事長単独では設置できません(標管[単]55条1項)。
    理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。
  4. 適切。災害等で総会の開催が困難な場合は、応急的な修繕工事の実施等に関して理事会で決議するのが原則です。しかし、大規模災害や突発的な被災で理事会の開催も困難な場合も想定されるため、理事長単独で応急的な修繕行為を実施できる旨を規約に定めることもできます(標管[単]コ54条⑩)。
    大規模な災害や突発的な被災では、理事会の開催も困難な場合があることから、そのような場合には、保存行為に限らず、応急的な修繕行為の実施まで理事長単独で判断し実施することができる旨を、規約において定めることも考えられる。
したがって不適切な記述は[3]です。