管理業務主任者試験 平成29年試験 問12

問12

標準管理規約によれば、管理費等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 管理費等の負担割合を定めるに当たっては、共用部分等の使用頻度等は勘案しない。
  2. 管理組合は、目的を問わず、必要な範囲内において借入れをすることができる。
  3. 収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。
  4. 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出する。

正解 2

解説

  1. 適切。管理費等の負担割合は、各区分所有者の共用部分の共有持分を基準とし、使用頻度等は勘案しないとされています(標管[単]コ25条①)。
    共用部分の設備には、エレベーター、駐輪場、キッズルーム、エントランスなど住人の属性によって使用頻度が異なるものも含まれますが、これらを考慮すると煩雑になってしまうため、使用の頻度や有無の差があっても公平に持分で定まります。
    管理費等の負担割合を定めるに当たっては、使用頻度等は勘案しない。
  2. [不適切]。資金の借入れを行うことができるのは、修繕積立金の使途である「特別な」管理事項を目的とする場合に限られます。規約に特別の定めがない限り、それ以外の費用(例:管理費や運営費)のための借入れはできません。
    次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
    ・・・
    十 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
  3. 適切。年度決算で管理費に剰余が生じた場合、その余剰は翌年度の管理費に充当することとされています(標管[単]61条1項)。
    収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。
  4. 適切。管理費等の負担割合は、各区分所有者の共用部分の共有持分によります(標管[単]25条2項)。
    管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。
したがって不適切な記述は[2]です。