管理業務主任者試験 平成28年試験 問36

問36

区分所有者の団体に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  1. 区分所有法第3条に規定される団体は、建物並びにその敷地及び附属施設を管理するための団体であり、区分所有者の合意によって設立されるものではない。
  2. 一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものは、区分所有者全員で構成する区分所有法第3条に規定する団体が、その管理を行う。
  3. 区分所有法第3条に規定される団体は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数によって管理組合法人となる旨を決議し、一般社団法人の設立に必要な定款作成や設立登記等の一連の事務手続が終了することにより、管理組合法人となる。
  4. 建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあっては、その共用部分)の全部が滅失した場合には、管理組合法人は解散する。

正解 3

問題難易度
肢119.2%
肢24.4%
肢362.0%
肢414.4%

解説

  1. 正しい。建物の区分所有が成立した時点で、区分所有者全員が建物やその敷地等の管理を行うための団体が当然に構成されます。「合意により設立される団体」ではなく、「法律上当然に成立する団体」です(区3条)。
    区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。
  2. 正しい。一部共用部分の管理については、区分所有者全員の利害に関係する者は区分所有者全員で、それ以外のものはこの部分を共用すべき管理者のみで行います(区16条)。よって、区分所有者全員で構成される団体(3条団体)で行うという記述は適切です。
    一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は第三十一条第二項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。
  3. [誤り]。定款の作成は不要です。管理組合法人の設立に必要なのは、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議と設立登記のみです(区47条1項)。通常は管理組合法人の規約が作成されますが、この規約も法的な要件ではありません。
    第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。
  4. 正しい。管理組合法人の解散事由は、①建物全部の滅失、②専有部分の不存在、③解散決議の3つです。建物の全部が滅失した場合、管理組合法人は当然に解散します(区55条1項)。
    管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
    一 建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失
    二 建物に専有部分がなくなつたこと。
    三 集会の決議
したがって誤っている記述は[3]です。