管理業務主任者試験 平成28年試験 問35
問35
管理者の専有部分等への立入りに関する次の記述のうち、標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。
- 敷地及び共用部分等の管理の必要性がある場合に、管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。
- 敷地及び共用部分等の管理の必要性がある場合に、管理を行う者から、専有部分への立入りを請求された区分所有者は、正当な理由なく立入りを拒否したときは、その結果生じた損害を賠償しなければならない。
- 災害、事故等が発生した場合であって、緊急に立ち入らないと共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、理事長は、当該専有部分の区分所有者の承諾がなくても、自ら立ち入り、又は委任した者に立ち入らせることができる。
- 立入りをした者は、緊急性に基づかない立入りの場合には、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならないが、緊急性に基づく立入りの場合には、そのような義務はない。
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正解 4
問題難易度
肢11.0%
肢21.0%
肢32.6%
肢495.4%
肢21.0%
肢32.6%
肢495.4%
分野
科目:3 - 標準管理規約細目:2 - 用法・管理
解説
- 適切。共用部分等を管理する者(理事長・管理会社など)は、必要な範囲で専有部分・専用使用部分(以下、専有部分等という)への立入りを請求することができます(標管[単]23条1項)。
前2条により管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。
- 適切。共用部分等の管理のための立入り請求を受けた者は、正当な理由なく立入りを拒否することはできません。正当な理由がないのに立入りを拒んだ者は、その結果生じた損害を賠償する必要があります(標管[単]23条2項・3項)。
2 前項により立入りを請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。
3 前項の場合において、正当な理由なく立入りを拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。 - 適切。災害や事故等など、共用部分等や他の専有部分への影響を抑えるために迅速対応が求められる緊急時には、理事長やその委任者に専有部分等への立入り権限が認められています。この緊急時の立入りは区分所有者・占有者の承諾なく可能で、正当な事由があっても拒否することはできません(標管[単]23条4項)。
前3項の規定にかかわらず、理事長は、災害、事故等が発生した場合であって、緊急に立ち入らないと共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、専有部分又は専用使用部分に自ら立ち入り、又は委任した者に立ち入らせることができる。
- [不適切]。専有部分等に立ち入った者は、速やかに立入りした箇所を元に戻す必要があります。平時と緊急時の区別はされていないため、緊急時の立入りでも原状回復義務があります(標管[単]23条5項)。
この規定の具体例としては、パイプスペースの確認のため壁や床をはがした場合や、室内に工具・機材を搬入したことによる傷や汚れの修復が挙げられます。立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならない。
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