管理業務主任者試験 平成28年試験 問33

問33

次のうち、区分所有法によれば、規約に定めることのできないものはどれか。
  1. 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者の過半数及び議決権の4分の3以上で決する旨
  2. 総会の議長は、総会に出席した区分所有者のうちから選任する旨
  3. 敷地及び共用部分等の変更は、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、区分所有者及び議決権の各4分の3以上で決する旨
  4. 管理組合の理事長を区分所有者から選任し、区分所有法に定める管理者を区分所有者以外の第三者から選任する旨

正解 1

解説

  1. [正しい]。規約の設定・変更・廃止は、特別決議(4分の3以上)を必要とする事項です。この決議要件は強行規定であり、規約でこれを加重・緩和することはできません(区31条1項)。
    規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
  2. 誤り。集会の議長は、規約又は集会の決議をした場合を除き、管理者又は集会を招集した区分所有者が務めるとされています(区41条)。規約で別段の定めが可能なので、これ以外の者を議長とすることができます。実際に標準管理規約では、議長は総会出席者の中から議決権の過半数で選任する旨が規定されています。
    集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。
  3. 誤り。形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更(重大変更)は、特別決議(4分の3以上)を必要とする事項ですが、重大ではない共用部分の変更は普通決議事項です。このため、規約で決議要件を加重・緩和することができます(区17条1項)。
    共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
  4. 誤り。区分所有法の管理者が必ずしも区分所有者でなければならないという規定はありません。管理者は外部の専門家を含めて第三者から選任可能であり、理事長と管理者を別人格に設定することも規約で定めることができます。
したがって正解は[1]です。