管理業務主任者試験 平成28年試験 問9(改題)

問9

次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、最も不適切なものはどれか。
  1. マンション管理業者及びその使用人等は、管理委託契約が終了した後においても、正当な理由がなく、管理事務に関して知り得た管理組合及び当該管理組合の組合員等の秘密を漏らしてはならない。
  2. マンション管理業者は、管理事務を通じて当該マンションの劣化等の状況を把握することができることから、長期修繕計画案の作成業務を実施する場合、当該業務に係る契約については、管理委託契約と別個の契約としてはならない。
  3. マンション管理業者は、管理組合の長期修繕計画における修繕積立金の額が著しく低額である場合若しくは設定額に対して実際の積立額が不足している場合又は管理事務を実施する上で把握した本マンションの劣化等の状況に基づき、当該計画の修繕工事の内容等について、改善の必要があると判断した場合には、書面をもって管理組合に助言するものとする。
  4. マンション管理業者が、理事会の設置する各種専門委員会の運営支援業務を実施する場合は、その業務内容、費用負担について、別途、管理組合とマンション管理業者が協議して定めるものとする。

正解 2

問題難易度
肢10.0%
肢293.9%
肢31.2%
肢44.9%

解説

  1. 適切。管理業者とその使用人には、管理事務に関して知り得た秘密について守秘義務が課されており、書面をもって管理組合の事前の承諾を得た場合等を除き、開示・漏えい・目的外の利用をしてはなりません(標契17条)。適正化法が定めるとおり、管理業者やその使用人でなくなった後も本秘密保持義務は継続します(標契コ17条関係)。
    乙及び乙の使用人等は、正当な理由なく、管理事務に関して知り得た甲及び組合員等の秘密を漏らし、又は管理事務以外の目的に使用してはならない。
    本条は、適正化法第80条及び第87条の規定を受けて、管理業者及びその使用人等の秘密保持義務を定めたものである。管理業者は、管理事務に関して知り得た秘密について、書面をもって管理組合の事前の承諾を得た場合等を除き、開示、漏えいしたり、目的外の利用をしてはならない。なお、適正化法第80条及び第87条の規定では、管理業者でなくなった後及び管理業者の使用人等でなくなった後にも秘密保持義務が課せられている。
  2. [不適切]。❶長期修繕計画案の作成業務、❷建物・設備の劣化状況等を把握するための調査・診断の実施、❸その結果に基づき行う当該計画の見直し業務は、管理委託契約とは別個の契約とすると明文で規定されています(標契別表第1-1(3)一)。これらの業務は必要な年度に特別に行われ、業務内容の独立性が高いという性格があるためです。
    乙は、長期修繕計画案の作成業務並びに建物・設備の劣化状況等を把握するための調査・診断の実施及びその結果に基づき行う当該計画の見直し業務を実施する場合は、本契約とは別個の契約とする。
  3. 適切。マンションの維持修繕に関する企画・実施の調整に関し、次に挙げるときには、管理業者は書面をもって管理組合に助言を行います(標契別表第1-1(3)一)。
    • 長期修繕計画における修繕積立金の額が著しく低額である場合、もしくは設定額に対して実際の積立額が不足している場合
    • 管理事務を実施する上で把握した本マンションの劣化等の状況に基づき、当該計画の修繕工事の内容、実施予定時期、工事の概算費用若しくは修繕積立金の見直しが必要であると判断した場合
    乙は、甲の長期修繕計画における修繕積立金の額が著しく低額である場合若しくは設定額に対して実際の積立額が不足している場合又は管理事務を実施する上で把握した本マンションの劣化等の状況に基づき、当該計画の修繕工事の内容、実施予定時期、工事の概算費用若しくは修繕積立金の見直しが必要であると判断した場合には、書面をもって甲に助言する。
  4. 適切。理事会が設置する各種専門委員会(大規模修繕、長期修繕計画の変更、管理規約の変更等)の運営支援業務については、標準管理委託契約書には定めがありません。もしこれらの業務を実施する場合には、業務内容と費用負担について、別途、管理組合とマンション管理業者が協議して定めます(標契コ別表第1-2関係⑥)。
    大規模修繕、長期修繕計画変更、管理規約改正等、理事会が設置する各種専門委員会の運営支援業務を実施する場合は、その業務内容、費用負担について、別途、管理組合及び管理業者が協議して定めるものとする。
したがって不適切な記述は[2]です。