管理業務主任者試験 平成28年試験 問4
問4
甲マンションの一住戸乙(以下、本問において「乙」という。)を数人が共有する場合に関する次の記述のうち、民法及び建物の区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。- 各共有者は、5年を超えない期間内は乙の分割をしない旨の契約をしない限りは、いつでも乙の分割を請求することができる。
- 各共有者は、規約に別段の定めがある場合は、甲マンションの集会で、乙に対するそれぞれの持分に応じて議決権を行使することができる。
- 各共有者は、他の共有者全員の同意を得なければ、乙についての自己の持分を処分することができない。
- 共有者全員の合意により乙が売却された場合、各共有者は、別段の意思表示がない限り、その買主に対して売却代金全額を請求することができる。
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正解 1
分野
科目:1 - 民法細目:2 - 物権・時効
解説
- [正しい]。各共有者は、いつでも共有物の分割請求ができるのが原則です。ただし、最長5年間分割を禁止する定めをすることができ、その期間内は分割請求はできません(民256条1項)。
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
- 誤り。専有部分を数人で共有しているときは、その共有者の中から議決権を行使すべき者1人を定めなければなりません(区40条)。よって、各自が持分割合の議決権を行使することはできません。
専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。
- 誤り。共有持分は所有権の一種ですから、各共有者は自分の単独財産である「持分」を自由に処分できます(民206条)。共有者全員の同意が必要なのは、共有物そのものの処分行為です(例:売却、抵当権設定など)。
所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
- 誤り。共有物を売却する際は、共有者各自が買主との間で自己の持分を譲渡する契約を結びます。このため連帯債権とはなりません。したがって、特段の合意がなければ各共有者は自分の持分割合に応じた代金しか請求できません。
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