管理業務主任者試験 平成27年試験 問44(改題)

問44

区分所有者であるAが、自己所有のマンションの専有部分を、居住目的で、借主であるBと期間3年の定期建物賃貸借契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 賃貸借は諾成契約であるので、本件契約の締結には、当事者の口頭による合意があれば足り、書面又は電磁的記録の作成は不要である。
  2. Aは、本件契約の締結に先立って、Bに対し、当該賃貸借は契約の更新がなく、契約期間の満了により終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
  3. Aは、本件契約の期間が満了する1年前から6月前までの間に、Bに対し、本件契約が終了する旨の通知をしなければならず、この通知は書面でしなければ効力を生じない。
  4. 本件契約の期間が満了する前に、Bが死亡した場合、Bに相続人がいる場合でも、本件契約は終了する。

正解 2

問題難易度
肢12.2%
肢283.4%
肢37.9%
肢46.5%

解説

  1. 誤り。定期建物賃貸借は、建物の用途を問わず「公正証書による等の書面」で契約をすることが成立要件とされています(借38条1項)。諾成契約(当事者の契約申込みと承諾のみで成立する契約)ではなく、要式契約に分類されます。
    なお、定期建物賃貸借は、電磁的記録によって契約することも認められており、この方法を用いた場合は書面で契約したとみなされます。
    期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
  2. [正しい]。定期建物賃貸借をしようとする賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく期間の満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面又は電磁的記録を交付して説明する必要があります(借38条3項)。この事前書面は契約とは別個の独立した書面であることが求められます(最判平24.9.13)。
    第一項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
    借地借家法38条3項所定の書面は、賃借人が、その契約に係る賃貸借は契約の更新がなく,期間の満了により終了すると認識しているか否かにかかわらず、契約書とは別個独立の書面であることを要する。
  3. 誤り。書面で通知する必要はありません。期間1年以上の定期建物賃貸借契約では、期間満了の1年前から6月前までの間に、賃借人に対し、期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができません(借38条6項)。この事前通知は、法律上特に方法の指定がないため、書面だけでなく口頭・電磁的方法などによる通知でも有効となります。
    第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
  4. 誤り。借主が死亡しても、賃貸借契約は終了しません。建物賃借権は財産権の一種である以上、原則として相続の対象となり、相続人に承継されます(民法896条)。これは定期建物賃貸借でも同じです。
    相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
したがって正しい記述は[2]です。