管理業務主任者試験 平成27年試験 問35

問35

規約に別段の定めがない場合、敷地及び共用部分等の共有持分の割合に関する次の記述のうち、民法、区分所有法及びマンション標準管理規約によれば、最も不適切なものはどれか。
  1. 共有持分の割合を計算する場合、一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分されて、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に算入される。
  2. 敷地については、公正証書によりその共有持分の割合が定まっている場合、それに合わせる必要がある。
  3. 共有持分の割合の基準となる面積は、マンション標準管理規約によれば、壁心計算による。
  4. 建替え決議に基づき建物が取り壊された場合には、一時的に土地についての民法の共有関係が生じるので、共有持分の割合についても民法の規定に従う。

正解 4

解説

  1. 適切。一部共用部分の床面積は、共用部分の持分割合を計算する際、その一部共用部分を利用する区分所有者の専有部分の床面積の割合で按分され、それぞれの専有部分の床面積に加算されます(区14条2項)。
    3/07.png/image-size:319×190
    前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
  2. 適切。敷地・附属施設の共有持分の割合については区分所有法に定めがないため、原則としては民法の共有の規定により等しいと推定されます。ただし、公正証書によりその割合が定まっている場合、そちらが優先されるので公正証書に合わせる必要があります(標管[単]コ10条①)。
    敷地については、公正証書によりその割合が定まっている場合、それに合わせる必要がある。
  3. 適切。標準管理規約では、共有持分の割合の計算基準となる専有部分の床面積について、壁芯面積(界壁の中心線で囲まれた部分の面積)を採用しています(標管[単]コ10条①)。区分所有法では内法面積とされているので、規約で修正している形です。
    登記簿に記載されている面積は、内のり計算によるが、共有持分の割合の基準となる面積は、壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分の面積を算出する方法をいう。)によるものとする。
  4. [不適切]。区分所有建物が取り壊されると区分所有権は消滅しますが、土地に関する権利は残るため、土地は一時的に区分所有者全員の(準)共有状態になります。何も定めがない場合は各共有者の持分は等しいと推定されますが、標準管理規約では別表3で敷地の共有持分割合について定めているので、その割合に従うことになります。
したがって不適切な記述は[4]です。