管理業務主任者試験 平成27年試験 問33
問33
次の記述のうち、区分所有法によれば、規約の定めとして効力を有しないものはどれか。- 各専有部分に属する排水枝管を管理組合が定期的に点検・補修を行うと定めること
- 各住戸の専有部分の床面積に差異が少ない場合に、共用部分に対する各区分所有者の共有持分の割合を、全住戸均等に配分すると定めること
- 各住戸の専有部分の床面積に差異が少ない場合に、総会における議決権割合を、議決権の過半数による決議事項については1住戸1議決権、議決権の4分の3以上の多数による決議事項については専有部分の床面積割合と定めること
- 管理者は、毎年1回一定の時期にその事務に関する報告をしなければならないが、当該報告を各区分所有者に郵送又は電子メールで送信することにより、総会での報告に代えることができると定めること
広告
正解 4
分野
科目:2 - 区分所有法等細目:4 - 規約・集会
解説
- 有効である。共用部分の管理に関する事項は、集会の決議で決するのが原則ですが、規約で別途定めることができます(区18条1項・2項)。専有部分に属している排水枝管や配線など、専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を管理組合が行うことは、共通の利益や衛生、安全上の理由から適法とされており、規約で定めることが可能です。
共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 - 有効である。共用部分の持分割合に関しては、各区分所有者の専有部分の床面積の割合によるのが原則ですが、規約で別段の定めをすることが認められています(区14条1項・4項)。
本件は、各住戸の専有部分の床面積に大きな差がないという事情を前提としています。そのため、定めの合理性と区分所有者間の利害の衡平を図る観点を勘案すると、共用部分の持分割合を住戸ごとに均等にする旨の規約は有効と言えます。各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
・・・
4 前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 - 有効である。議決権の割合は、原則として共用部分の持分割合によりますが、規約で別段の定めをすることが認められています(区38条)。
肢2と同じく、本件では各住戸の床面積に明確な差異が見られないことから、区分所有者間の公平性及び規約内容の合理性を総合的に判断した場合、当該規約の定めは適法かつ有効と評価されます。各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合による。
- [無効である]。管理者は集会において毎年1回、事務に関する報告をすることが義務付けられています(区43条)。本規定には、管理者が区分所有者に対して直接、事務報告を行い、質問等を受ける機会を確保するという目的があります。このため、規約の定めをもって郵送や電子メール等で代えることは認められていません。
管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。
広告
広告