管理業務主任者試験 平成27年試験 問13
問13
管理組合の会計及び役員に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。- 管理組合の役員には、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行うために会計担当理事を置くこととしており、その選任は理事の互選による。
- 管理組合は、借入れが緊急に必要な場合であっても、総会の決議を経なければ、特別の管理に要する経費に充当するための借入れをすることができない。
- 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、理事長の承認を得ずに臨時総会を招集することができる。
- 管理組合の会計年度の開始後、通常総会において当該年度の収支予算の承認を得るまでの間に、通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、収支予算の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められる経費の支出が必要になった場合には、理事長は自らの判断により、その支出を行うことができる。
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正解 4
分野
科目:3 - 標準管理規約細目:5 - 会計・費用の分担
解説
- 適切。管理組合の役員は、①理事長、②副理事、③会計担当理事、④監事です。理事長、副理事、会計担当理事は理事のうちから互選で決まり、監事は総会で選出されます(標管[単]35条3項)。
理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事会の決議によって、理事のうちから選任し、又は解任する。
- 適切。特別の管理の実施とそれに充てるための資金の借入れは、総会の決議事項です。保存行為については「緊急」を理由に、総会・理事会決議を省略できますが、特別の管理について総会決議を省略することは予定されていません。したがって、総会の決議を経なければ借入れはできません(標管[単]48条10項)。
次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
・・・
十 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し - 適切。監事は「管理組合の業務の執行及び財産の状況」について不正があると認めるときは、自ら臨時総会を招集することができます(標管[単]41条3項)。理事や理事長が不正に関わっていて総会を開けない場合もあるため、不正を組合員に伝える機会を確保する目的で、監事には自ら総会を招集できる権限が与えられています。
監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
- [不適切]。理事会の承認が必要です。総会は、新会計年度開始以後2か月以内に招集することになっているため、会計年度開始後、予算承認までの「つなぎ」の支出が生じます。このため、会計年度開始後に生じる支出のうち、①通常の管理費用で経常的なもの、②長期工事に係るやむを得ない経費 については、予算承認前であっても、理事長が理事会の承認を得て支出することが認められています(標管[単]58条3項)。
理事長は、第56条に定める会計年度の開始後、第1項に定める承認を得るまでの間に、以下の各号に掲げる経費の支出が必要となった場合には、理事会の承認を得てその支出を行うことができる。
一 第27条に定める通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの
二 総会の承認を得て実施している長期の施工期間を要する工事に係る経費であって、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの
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