管理業務主任者試験 平成27年試験 問8(改題)

問8

宅地建物取引業者が、管理組合の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却の依頼を受け、その媒介等の業務のために、マンション管理業者に確認を求めてきた場合の当該管理組合に代わって行うマンション管理業者の対応に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。
  1. マンション管理業者が提供・開示できる範囲は、原則として管理委託契約書に定める範囲となるため、一般的にマンション内の事件、事故等(敷地及び共用部分における重大事故、事件を除く)の情報は、当該組合員又は管理組合に確認するよう求めるべきである。
  2. 当該専有部分の修繕の実施状況について開示を求めてきたときは、書面をもって、又は電磁的方法により開示するものとする。
  3. 管理組合の修繕積立金積立総額並びに管理費及び修繕積立金等の滞納額について開示を求めてきたときは、書面をもって、又は電磁的方法により開示するものとする。
  4. 管理費等の改定の予定及び修繕一時金の徴収の予定並びに大規模修繕の実施予定がある場合には、これらも開示する情報に含め、書面をもって、又は電磁的方法により開示するものとする。

正解 2

問題難易度
肢133.1%
肢252.5%
肢36.0%
肢48.4%

解説

  1. 適切。管理業者が宅建業者に提供・開示できる情報の範囲は、原則として管理委託契約書に定められた範囲に限られます。この制限があるため、宅建業者等が管理委託契約書に定める範囲外の事項の開示を求めてきた場合には、管理業者は宅建業者に対し、組合員又は管理組合に確認するよう求めるべきとされています(標契コ15条関係②)。
    事件・事故に関する開示情報の一つとして「敷地及び共用部分における重大事故・事件があればその内容」がありますが、これ以外の開示は標準管理委託契約書では定められていません(別表5-14)。したがって、これ以外の事件・事故等に関しては、組合員又は管理組合に直接確認するよう求めることが適切です。
    管理業者が提供・開示できる範囲は、原則として本契約書に定める範囲となる。本契約書に定める範囲外の事項については、組合員又は管理組合に確認するよう求めるべきである。管理業者が受託した管理事務の実施を通じて知ることができない過去の修繕等の実施状況に関する事項等については、管理業者は管理組合から情報の提供を受けた範囲で、これらの事項を開示することとなる。
  2. [不適切]。専有部分の修繕の実施状況については、管理業者に開示義務はありません。専有部分は各区分所有者が自ら管理する領域であり、管理業者の管理対象部分には含まれていないためです。また、管理組合や管理業者は、専有部分ごとの修繕記録を保有していないのが通常です。
  3. 適切。開示請求の対象となる事項の一つに「売主たる組合員が負担する管理費等関係」があります。この開示項目では、管理費・修繕積立金・各種使用料・組合費・戸別水道光熱費などについて、それぞれ金額を記載(滞納額がある場合は併せて記載)する必要があります(標契別表第5-5)。滞納額についても書面又は電磁的方法をもって開示する必要があります。
    売主たる組合員が負担する管理費等関係(①~⑬の項目毎に金額を記載(滞納がある場合は滞納額も併せて記載))
    ① 管理費
    ② 修繕積立金
    ・・・
  4. 適切。開示請求の対象となる事項として下記が挙げられています。したがって、書面又は電磁的方法をもって開示する必要があります。
    • 管理費等(管理費・修繕積立金・修繕一時金・各種使用料 など)の変更予定等
      ※ 変更予定有〔○年△月から〕、変更予定無、検討中の別
    • 共用部分等の修繕工事の実施予定の有無
      ※ 有〔○年△月予定・工事概要)、無、検討中の別
したがって不適切な記述は[2]です。