管理業務主任者試験 令和2年試験 問43
問43
区分所有者Aが、自己所有のマンションの専有部分をBに賃貸した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、AB間の賃貸借契約は、定期建物賃貸借契約ではないものとする。
- Bが、Aの承諾を得ないで、その専有部分を第三者Cに転貸する契約を締結した場合でも、Cがその専有部分の使用・収益を始めない限り、AはBとの賃貸借契約を解除することができない。
- AB間で建物賃貸借の期間を2年間と定め、中途解約ができる旨の特約を定めなかった場合でも、Bからは、1箇月の予告期間を置けば中途解約ができる。
- BがAの同意を得て付加した畳、建具その他の造作について、Bは、Aに対し、賃貸借が終了したときにそれらの買取りを請求することができない旨の特約は無効である。
- Bが賃料を支払わなければならない時期は、特約をしなければ、当月分について前月末日である。
正解 1
問題難易度
肢163.2%
肢213.2%
肢39.7%
肢413.9%
肢213.2%
肢39.7%
肢413.9%
分野
科目:5 - 管理実務細目:3 - 不動産契約に係る法令
解説
- [正しい]。賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、賃借権の譲渡・賃借物の転貸をすることができません(無断転貸の禁止)。これに反し、賃借人が無断で第三者に賃借物を使用・収益させたときは、賃貸人は賃貸借契約を解除することができます(民612条)。
法文を文言どおりに解釈すると、賃貸人に解除権が発生するのは、第三者が実際に使用・収益を始めたときとなります。したがって、それ以前の転貸借契約を締結したにとどまる段階では解除することはできません。賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。 - 誤り。期間の定めのある賃貸借では、期間内解約を認める特約(中途解約権の留保)をしない限り、当事者双方ともに中途解約ができないのが原則です(民法618条)。本肢は期間2年の定めがあるため、特約がない場合には、借主は中途解約をすることはできません。
当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。
- 誤り。建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作物は、建物の賃貸借が終了するときに、賃借人から賃貸人に対して時価での買取りを請求できます(借33条1項)。この造作買取請求権は、普通建物賃貸借・定期建物賃貸借のどちらの場合も任意規定のため、権利行使を認めない特約も有効となります(借37条)。
建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。建物の賃貸人から買い受けた造作についても、同様とする。
第三十一条、第三十四条及び第三十五条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものは、無効とする。
- 誤り。建物賃貸借の賃料は、民法上、毎月末に支払うものとされています(民法614条)。つまり、当月分賃料の支払期日は当月末日となります。もっとも、この規定は任意規定であるため、特約で前月支払とすることも一般的です。
賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。